大幅高となるも飛び石連休の谷間で方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年11月04日 16時23分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 日本が休場中の米国株が大幅高となったことや欧州での利下げや米国でのQE3(量的緩和)期待が高まったことなどが好感されて買い先行となりました。それでも外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が売り越しと伝えられたこともあって寄り付きの買いが一巡となった後は上値の重い展開となって下値を試すような場面もみられました。飛び石連休の谷間で週末の米国の主要な経済指標の発表などを控えて買い難く、手仕舞い売りに押されることも多いのではないかと思われましたが、案外値持ちも良く、引けを意識する時間帯には先物の買戻しなどで指数を押し上げこの日の高値をつける場面もありました。ただ、その後はさすがに手仕舞い売りも多く、上値の重い引けとなりました。

 相変わらず海外市場動向などに振らされる展開で、寄り付いてからは日本独自の要因で動くことも少なく方向感に乏しい展開となりました。欧州の金融不安、ギリシャ問題も解決に向かいそうでいてすっきりと解決というわけにもいかず、なんだかんだと相場を振り回しています。日本独自の材料で動いているということでもないので、日中の値動きが少なくなってくるのだと思いますが、相場全体が決算動向などに反応してしてもいいのではないかと思います。

 決算でも業績の伸びが鈍化したといって売られる銘柄などもみられますが、中国の経済と同じで、例えばこれまでの10という業績が増えて10%の伸びで50の業績が3しか増えないからだめだということでもないと思います。利益を上げるための先行投資ではないですが、これから利益が上がってくるということも考えられますし、個別の企業の決算はしっかりと見ていかないと単に予想よりも良いとか悪いだけでは語れない部分も多いと思います。

 9月までの決算が出揃ってからはっきりとわかるのかもしれませんが、まだまだ水準としては割安とみても良い水準だと思います。これからギリシャ問題がこじれて、リーマンショックと同じ、あるいはもっとひどいことになるという向きもいますが、何度もこのコラムでも述べていますが、サブプライム・ローンとギリシャ国債の問題は同列に扱うものでもないですし、大きな景気後退の懸念は少ないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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