円売り介入効果も薄れ、大幅下落で安値引け清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年11月02日 16時11分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8640.42円 ▼195.10円
売買高 17億6720万株
売買代金 1兆1375億4300万円
値上がり銘柄 196銘柄
値下がり銘柄 1371銘柄
騰落レシオ 90.27% ▼13.11%

日経平均

連日の米国株安やユーロ安を受けて円売り介入効果も薄れ、飛び石連休を前に連日の大幅下落で安値引け

 米国株が連日の大幅下落となったことやユーロが軟調となったことなどから売り先行となりました。それでも、昨日の大幅下落の中で米国株安の要因をある程度織り込んでいたことや外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が株数は売り越しながらも金額は買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡となった後はいったん底堅い場面もみられました。ただ、その後もユーロ売りが止まらず、円売り介入もなかったことから売り直され、大幅安水準で小動きとなりました。日経平均も節目とみられる8600円水準を意識するところでは下げ渋りとなるのですが、戻りも鈍い展開となりました。

 後場に入ると昼の時間帯などに業績の上方修正や好調な決算を発表する企業もみられ、下げ幅縮小となる場面もありました。それでも、ユーロの戻りも限られたことや海外で重要な経済指標の発表やイベントを控えた飛び石連休ということもあって、最後まで買い上がるような動きもなく、寄り付きの水準まで戻るとそれ以上の戻りはみられず、今度は逆に上値の重さを意識した手仕舞い売りに押されるという状況で指数に方向感はみられませんでした。結局、最後は手仕舞い売り、見切売りも嵩んで下げ幅拡大、安値引けとなりました。

 小型銘柄も軟調なものが目立ちましたが主力株ほど売り急ぐ動きはなく、底堅さもみられました。東証マザーズ指数とジャスダックTOP20は大幅安となりましたが、日経平均やTOPXほどの下落でもなく、二部株指数や日経ジャスダック平均は軟調というに止まりました。先物はまとまった売り買いは散発的にはみられるものの、方向感をもってのまとまった売り買いや追随する動きもなく、指数の方向を示すような動きはありませんでした。飛び石連休を控えての持田か調整の売り買いが中心となったものと思います。

 早くも円売り介入の効果もギリシャ問題の解決も「なかったもの」というような展開になりました。これ以上円高となることがなければ、節目とみられる8800円〜900円水準を抜けてくるのでしょうが円売り介入でもギリシャ問題の解決でも抜け切れなかったことで、「やり直し」ということになりそうです。今後も金融政策や円売り介入の継続で円高が止まることがなければ、当面8000円台後半、8500円〜600円水準を下値に8800円〜900円水準を上値としたもみ合いのなかでの動きが続くのだと思います。決算動向に反応しても、最後までは反応しきれないということなのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

 雲の下限まで一気に調整となった格好です。基準線は割り込んでしまい、まだRSIもストキャスティックスも下落が続いて下値余地もあるのですが、遅行線が日々線の安値の日柄と応答しており、底堅さはみられると思います。雲の下限に絡みながらの調整となるのでしょう。

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