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» 2011年11月02日 08時00分 UPDATE

それゆけ! カナモリさん:ものぐさニッポン「メンドクサイ」をビジネスに生かせ (1/2)

面倒くさい――。昨今の日本の空気、特に若年層の消費文化、ライフスタイルを語る際に重要な言葉の1つ。ここに、新しい商機が眠っているかもしれない?

[金森努,GLOBIS.JP]
GLOBIS.JP

それゆけ! カナモリさんとは?

グロービスで受講生に愛のムチをふるうマーケティング講師、金森努氏が森羅万象を切るコラム。街歩きや膨大な数の雑誌、書籍などから発掘したニュースを、経営理論と豊富な引き出しでひも解き、人情と感性で味付けする。そんな“金森ワールド”をご堪能下さい。

※本記事は、GLOBIS.JPにおいて、2011年10月28日に掲載されたものです。金森氏の最新の記事はGLOBIS.JPで読むことができます。


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 ある精神科医の本に、「呼吸をするのが面倒くさい」と訴える若者が急増しているというエピソードが載っている。メンドクサイもそこまで行けばご立派。「モッタイナイ」以上に世界で流行りそうな気もする。

 1つ例を挙げる。今年1月に公表され、大きな話題を読んだ別名“セックスレス”調査、厚生労働省の研究班が行なった「男女の生活と意識に関する調査」では、「セックスに関心がない・嫌悪していると回答した人は、男性18%、女性48%で、2008年の調査より男性は7ポイント、女性は11ポイント増えた。年代別だと16〜19歳で最も多く、男性36%(前回調査で18%)、女性で59%(同47%)だった」(asahi.com記事より)

 理由について、同記事は、「セックスに関心がない一因は、『異性と関わることが面倒だ』と感じることにあるようで、全体の4割の回答者が『面倒だ』と回答した」と分析している。

 なぜ面倒が嫌われるようになったのか、そこにどんな時代の構造が隠れているのか、さまざまな想像が働くが、メンドクサイをビジネスに生かす動きも出始めている。

 2月28日日経ビジネス誌の特集「『若者は消費しない』の嘘 “従来型商品戦略の否定”がヒットを生む」の中でも、若者市場攻略の鉄則の1つに、「面倒くさいは徹底排除」が挙げられており、ロッテの大ヒットガム「フィッツシリーズ」が事例紹介されている。若年層にガムが嫌いな理由を調査した結果、なんと、「かむのが面倒くさい」という理由が目立ったという。そのため、柔らかいガムを開発し、包装にも工夫をこらした。昨年からは、味が長続きするという効用も加え、ガムを捨てる手間すら省いた。

 こうした視点を考えるときに便利なのが、4Cの視点だ。ロバート・ラウターボーンが提唱した概念で、マーケティングの4Pを顧客視点に置き換えたもの。特に「Price」を「Cost of customer」に置き換えているところが注目で、顧客は製品の購買、使用、廃棄に至るまでの全体のコスト(時間、手間も含む)に関心を持っていると前提している。

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