売り直されて大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年11月01日 16時44分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅安となったことから日本市場も売り先行となりました。昨日の円売り介入の効果も限定的となり芳しくない決算を発表した銘柄を中心に売られました。それでも、昨日の軟調な日本市場である程度米国株の大幅安を織り込んでいたものと思われ、売り一巡後は円売り介入期待もあって底堅い展開となりました。その後も軟調な地合いが続きましたが円売り介入期待もあって売り急ぐ動きもなく、方向感に乏しい展開となりました。中国の経済指標や為替の仕掛け的な売り買いに反応しながら冴えない展開となりました。

 決算発表が本格化していますが、好調な決算に素直に反応するものとそうでないものなど反応はまちまちとなっています。既に買われていたからとか売られていたからということで反応することもあるのですが、発表してからの動きで反応を決めているような面もあると思われます。こちらは想定通りと思っていても株が売られると「そんなに強気に見ていたのか」と思ってしまいますし、好調な決算を発表しても難癖つけて売り急ぐような場面もみられます。

 ただ、こうした発表直後の目先の動きや次の日の動きが必ずしもその企業の業績を示しているということでないことも多いと思われます。大規模リストラなどもやり方によっては好感される話になりますし、逆にリストラをして目先の利益をかさ上げしても先が見えない状況であれば決して割安ということにはならないと思います。漫然と株価の動きだけを見ているとなかなか売り気配を買いに行くとか買い気配を売りに行くということは厳しいのでしょうが、やり方によってはかなり有効なのではないかと思います。

 本当に業績が悪いのでなければ、どこかで買い直されてくるのでしょうし、大きく上昇した後でなければ好調な決算を発表して売られるところからは反発となってくることも多いのではないかと思います。また、減損や投資評価損など特殊な要因で芳しくない決算となった場合に、その損失は埋められるのかどうか、一過性のものなのかどうかを見極めて買うということもあり得ると思います。目先の値動きについていくということだけではなく、決算発表への反応が本当に先行きの方向を示しているのかどうかをしっかりと見極めるようにしたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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