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» 2011年10月31日 08時00分 UPDATE

東日本大震災ルポ・被災地を歩く:寒さをどうしのぐか? 被災地に再び冬が来る (1/5)

冬の終わりに発生した東日本大震災から8カ月、被災地では再び冬を迎えようとしている。仮説住宅の寒さ対策をどうするか、ボランティアの減少など、被災地では課題が山積しているようだ。

[渋井哲也,Business Media 誠]

渋井哲也(しぶい・てつや)氏のプロフィール

book 『3.11 絆のメッセージ』

 1969年、栃木県生まれ。フリーライター、ノンフィクション作家。主な取材領域は、生きづらさ、自傷、自殺、援助交際、家出、インターネット・コミュニケーション、少年事件、ネット犯罪など。メール( hampen1017@gmail.com )を通じての相談も受け付けている。

 著書に『自殺を防ぐためのいくつかの手がかり』(河出書房新社)、『実録・闇サイト事件簿』(幻冬舎)、『解決!学校クレーム』(河出書房新社)、『学校裏サイト 進化するネットいじめ』(晋遊舎)、『明日、自殺しませんか?』(幻冬舎)、『若者たちはなぜ自殺するのか?』(長崎出版)など。メールマガジン 「週刊 石のスープ」を刊行中。

 5月、被災地の人々の生の声を集めた『3.11 絆のメッセージ』(被災地復興支援プロジェクト)を出版した。


 東日本大震災から8カ月が経とうとしている。もうすぐ冬を迎える被災地では、日々、寒さが増していく。当時は雪が舞っていた地域もあったが、再び雪の季節がやってくる。被災者は仮設住宅で初めての冬を迎える。また、支援をする側も、雪は天敵であるはず。その前に、被災者の今あるニーズは対応しておきたい。

仮設住宅の寒さ対策は?

 仮設住宅は、急きょ作られたものが多いため、暑さや寒さをどうしのぐのかといったことが考えられていない部分もある。特に、初期に多く建てられたプレハブメーカー系の仮設住宅は夏は暑く、冷房代がかかったという話はよく聞いた。

 中には、日中の暑い時間はなるべく仮設住宅内にはいないで、エアコンがあるクルマを利用してドライブをしたり、レストランや公共施設に行ったりして、暑さをしのいだ人もいた。

ah_huyu1.jpg 住田町の仮設住宅。廃校になった小学校の校庭に建てられた

 厚生労働省の「第2回応急仮設住宅の居住環境等に関するプロジェクトチーム資料」(厚生労働省社会・援護局、9月30日)によると、「暑さ寒さ対策としての断熱材の追加」がなされている仮設住宅(見込み含む)は、岩手県28.6%、宮城県0%、福島県7.3%だった。福島県の場合、会津地方に建設した仮設住宅は、初めから寒冷地仕様の断熱材の対策をしていた。

ah_huyu2.jpg 福島県相馬市の仮設住宅。草のカーテンは暑さ対策だが、果たして効果は……

 宮城県の取り組みの遅れについては、9月30日の会合で、平野達男・復興担当大臣が担当者に「自治体が主体性をもってやってくれないと困る」と、注意を与える場面もあった。

 今後は寒くなる。そのため、プレハブメーカー系の仮設住宅には断熱材を取り付ける工事が必要だ。岩手県は仮設住宅の建設工事が一段落した7月から始めており、取り付け工事は終わっている。宮城県では厚生労働省が「寒さ対策」や「暖房器具の設置」を通知してから動き出した。10月24日から工事が始まり、すべてが終わるのは2カ月後だ。

 さらに、岩手県は希望のある仮設住宅には畳を設置する。畳は、寒さ対策と、住環境の快適さが両立できるものと言える。仮設住宅に住んでいる人、特にお年寄りに話を聞くと、「畳があった方がいい」と口を揃える。寒さ対策もさることながら、住み慣れた住環境のほうが良いという。

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