第1回 mixiを使っているのは誰なのか、そして新インタフェースの理由短期集中連載・mixiはどこへ行く?(2/3 ページ)

» 2011年10月31日 22時30分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

mixiの現状

mixiのユーザー分布図(2011年3月の数字、出典:ミクシィ)

 さてここで、現在のmixiをどんな人が使っているのかについて見ていこう。mixiの登録ユーザー数は2337万人、このうちサービスを利用しているアクティブユーザー(月1回以上ログインしているユーザー)数は1537万人となっている。

 2004年にスタートしたmixiは当初、主にPCでインターネットにアクセスする、ネットリテラシーの高い層に支持されてユーザーを広げていった。

 一般的にネットサービスの普及は都市部中心、とくに首都圏のユーザーに固まりがちだ。現在、mixiのユーザーは首都圏が多いとはいえ、まんべんなく日本全国に広がっている(下図)。注目してほしいのが、ユーザーの年齢層別・性別分布だ。右の棒グラフを見ると、20歳代の利用率の高さが分かる。20〜29歳のユーザーが全体の約半分、中でも20〜24歳のユーザーは全体の25%以上を占めている。さらに性別を見ると、男性48.9%に対して女性51.1%と、男女半々よりも女性がやや多い。ケータイからmixiにアクセスするモバイルユーザーの中で見ると、20代ユーザーは55%以上、女性は55.2%となり「若者、女性に強いmixi」という傾向がさらにはっきりする。

 なぜmixiには20歳代ユーザーや女性ユーザーが多いのか? 筆者が最大の理由と考えているのは「ケータイ(フィーチャーフォン)からのアクセスのしやすさに優れていたから」である。

 日本の場合、高機能携帯電話の普及が早く、他国に先駆けて携帯電話からのネットアクセスが増えたという特殊事情があった。そこで起きてしまったのが、PCからネットにアクセスして使う「PCインターネット」と、ケータイからアクセスするiモードに代表される「ケータイネット」の世界の乖離(かいり)だ。このような状況下、日本のほとんどのWebサービスはPCメインのものとケータイメインのものに分かれていった。

 ケータイメインのサービスの代表例としては、例えばケータイソーシャルゲームの「mobage(モバゲー)」がある。また、スタート当初はPCインターネットのSNSとして出発し、mixiのライバルであった「GREE」は、途中でケータイメインのサービスへ舵を切ることによって対象ユーザーやサービスを絞り込んだ。

 GREEとはある意味逆の道を進んだのがmixiだ。mixiはPCから使っても、ケータイから使っても、違和感なくほとんどすべての機能を利用することができる。そのためインターネットへのアクセスが主にPCからの人も、主にケータイからの人も、mixiの各種サービスを同じように使いこなすことができる。これまでのPC系Webサービスが取り込めなかった「ケータイから主にアクセスする女性や若者」を違和感なくユーザーとして取り込み、男性よりも女性ユーザーのほうがやや多いという現在の姿につなげることができた。SNSに限らず、こういうWebサービスは、実は非常に珍しい。

mixiのアクティブユーザーの、地域属性と年齢層、性別(2011年6月30日の数字、出典:ミクシィ)

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