一時大幅高となるも円高を嫌気する動きや週末の手仕舞い売りも嵩んで上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年10月28日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9050.47円 △123.93円
売買高 21億6380万株
売買代金 1兆4934億1800万円
値上がり銘柄 933銘柄
値下がり銘柄 602銘柄
騰落レシオ 98.82% △3.58%

日経平均

米国株高を受けて買い先行、一時大幅高となるも円高を嫌気する動きや週末の手仕舞い売りも嵩んで上値も重い

 米国株が大幅高となったことや対米ドルでは円高となったのですが、ユーロなどは堅調となり、日本市場も買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡となった後も堅調な展開、指数は大幅高水準での動きが続きました。ただ、朝方発表された鉱工業生産指数が予想を下回ったことや週末ということに加えて円高気味となったことが懸念されて上値も重く、上値の重さが気になると週末ということもあってじりじりと上げ幅を縮小する展開となりました。

 後場も前場と同じような展開が続きました。決算動向なども次々と発表され、敏感に反応するものもあるのですが、相場全体を方向付けるような動きもなく指数は小動きとなりました。上げ幅縮小となる場面があっても売り急ぐような動きもなく、切り返す場面でも買戻しを急ぐこともないという展開でした。欧州金融不安が一段落となったことや米国景気鈍化懸念も薄れたのですが、円高やタイの洪水の影響なども見極めたいということで週末にしっかりと持ち高を増やすようなこともないということなのでしょう。最後は持高調整の売り買いが交錯しながら手仕舞い売りに上げ幅縮小となりました。

 小型銘柄はまちまちの展開となりました。東証マザーズ指数はインターネット関連の銘柄が大きく上昇して大幅高、二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調ながらも上値が重く、ジャスダックTOP20は売り買いまちまちとなって小幅安となりました。先物は買戻しを急ぐような動きは昨日の相場で出尽くしたということかまとまった売り買いは少なく、指数を方向付けるようなこともありませんでした。週末の持高調整の売り買いが交錯すると言う形で、終始上値が重いような展開でじりじりと値を下げながらも底堅く、引け際には買い戻しもみられましたが、高く寄り付いた後は小動きとなりました。

 世界的な景気鈍化懸念も薄れたような感じなのですが、やはり円高傾向が続いているということで買い切れない感じです。好調な決算も芳しくない決算もコスト削減と為替要因が多く、今後も円高が進むようであれば買えないし、これ以上円高にならないのであれば割安感が強いものも多いということなのだと思います。したがって為替の方向性が見られないと積極的な売り買いをし難いということなのでしょう。米国景気の回復が見られるまでは円安に戻らないということなのかもしれません。徐々に介入期待も薄れていると思われます。

テクニカル分析

日経平均

 雲の中で方向感のない展開となりました。ちょうど雲の中間という感じで、RSIもストキャスティックスもどっち付かずという雰囲気で気迷い気分の強い展開になっています。週初に高ければ雲の上限を目指すことになり、安いと雲の下限の水準を目指すような動きになってくるのだと思います。

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