震災でオール電化市場が縮小、工場被災や節電が影響

» 2011年10月26日 12時51分 公開
[Business Media 誠]

 富士経済は10月25日、国内住宅のエネルギー需要動向調査結果を発表。2011年度のオール電化住宅市場は前年度比9.6%減の50万1000戸となると見込んだ。3月11日に発生した東日本大震災前は58万4000戸と見込んでいたが、8万3000戸下方修正した形だ。

 富士経済では下方修正の理由として2点を指摘。

 1点目は「震災直後からのオール電化機器の調達不足」。機器の部品や原料メーカーの工場が被災したことで、4〜6月ごろまで供給が滞り、生産量が大きく減少した。ただ、7月以降は機器の調達状況は改善しており、オール電化住宅数も増加に転じているという。

 2点目は「既築オール電化住宅件数の減少」。2011年度は従来予測より7万戸ほどの減少が見込まれているが、減少数の半分は関東エリアでの件数減少によるもの。原因は、原発事故・節電意識の高まりなどを背景としたオール電化へのマインド悪化。富士経済では、関東エリアでは2012年度以降も市場への影響は残ると予測、ほかのエリアでは2011年度下半期以降は前年度並みの水準に回復すると予測している。

オール電化住宅の市場予測(出典:富士経済)

 創エネ・蓄エネ機器では、住宅向け太陽光発電市場(2011年度)を前年度比16.1%増の25万3000件と見込んだ。エリア別には、住宅数が多く潜在マーケットが大きい関東・中部・関西や日射量が多い中国・九州で導入が進んでいる。住宅形態別には戸建住宅が多く、全体の70%弱が既築住宅への導入となっている。

 ガス体事業者が推進するエネファーム市場(2011年度)も前年度比97.3%増の1万4600台と見込んでいる。これまでの採用先はほぼ新築戸建住宅に限定されてきたが、既築分野にも広がっているという。

創エネ・蓄エネ機器市場(出典:富士経済)

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