――家の屋根や壁はどのように除染されていますか?
坪倉氏:屋外で計測する場合は、2〜5メートルごとに計測している。屋根や壁は種類によって、線量の数値が全く違う。瓦の場合、コケがついていることが多いので、そのコケを取り除かなければいけない。コケには水がたまるので、放射性物質もたまりやすいので。屋根を洗浄するとき、屋根の形であったり、種類、汚れ方などによって、除染をしても効果は全く違う。なので家の中や庭を除染するときと同じように、まずは細かく線量を計測することから始めなければいけない。
「除染」といえば「表土をはげばいいんでしょう?」「水を流せばいいんでしょう?」などとよく聞かれる。確かに学校のグランドは表土をはげば、すぐに効果がでる。しかし学校のグランドは平らなので、除染を行う上で最も簡単なモノのひとつ。
屋根に関していえば、非常に危険な場所だ。転落して救急車で病院に運ばれる人も少なくない。そうした危険な屋根の除染を、誰がやるべきなのか? 国がやるべきなのか? 企業がやるべきなのか? それとも個人でやるべきなのか? 現場は「早く線量を下げたい」と思う人が多い。なので、どんどん除染を行っている。それによって起こる弊害もたくさん見受けられる。これが現状だ。
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