ユーロ安や決算動向に反応して軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年10月25日 16時11分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場が堅調となり為替の介入期待もあって買い先行となりました。外国人も買い越しと伝えられて寄付きは堅調となったのですが、為替が介入がみられないことの失望感や昨日の大幅高の反動から売られ、軟調となりました。決算動向に反応しながら指数は小動きとなり、方向感に乏しい展開でしたがユーロが売られる場面では下げ幅拡大となる場面もありました。

 相変わらず売買高も少なく、日中の値動きに乏しい感じです。相場全体の方向感もなく、為替が円高に振れるとて手仕舞い売りに押されるというような状況でした。決算発表も始まり決算動向もみえてきているのですが、やはり悲観的な見方が多く、芳しくない決算には敏感に反応し、好調な決算には反応が鈍く、好材料出尽くしとなってしまうケースも多いようです。ここまで為替の影響が限られ、好調な決算となったものは今後も欧州金融不安や世界的な景気鈍化懸念が薄れているはずなのですが、やはり更なる円高が懸念されるということなのでしょう。

 円高を懸念する傾向にあるのだから、介入してもいいのではないかと思うのですが、介入だけでは効果が少ないということでなかなか介入に踏み切れないということなのだと思います。ただ、スイス政府ではないですが円高にしないために何とかするんだという態度、方向性を見せることで円高懸念も薄れてくるのではないかと思います。円高懸念さえ薄れれば、好調な企業業績への反応ももっと素直な動きになるものと思われ、株式市場ももっと元気になってくるのではないかと思います。

 いずれにしても何度も述べていますが、政府日銀の方向感というか政策が見える必要があるということでしょう。日本の企業にとって政府や日銀が何もできないというのであればそれなりにしっかりと方向感を持って動いている企業への投資なども考えられるのでしょうが、そうした企業への評価もしっかりとできていないような気もします。もう少し先が見えてこないと株式市場も盛り上がらないということでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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