足元の好調な決算に素直な反応となって大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年10月24日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8678.89▼3.26

<TOPIX>744.21▼1.81

<NYダウ>11808.79△267.01

<NASDAQ>2637.46△38.84

<NY為替>76.28▼0.52

欧州金融不安が薄らぎ、足元の好調な決算に素直な反応となって大幅高

 欧州首脳会議に対する期待から欧州金融不安が薄れたことや好調な企業決算がみられていることが素直に好感されて大幅高となりました。週末ということで買い戻しや持高調整の買いも入ったのでしょうが、金融不安が薄れたことで商品相場も堅調となり、好調な企業決算を見て、景気鈍化懸念も薄らいだものと思います。また、一方で追加の金融緩和を示唆するような金融当局高官のコメントも伝わり、買戻しを急ぐ動きもみられたものと思います。

 ドルが対円で急落する場面もありましたが問題視するというよりはドル安メリットを好感するように景気敏感株や主力企業の株価も上昇、商品相場高を好感するような動きもありました。欧州金融不安や景気鈍化懸念は残るものの足元の業績は堅調であり、信用収縮=リスク許容度の低下も一段落となったことで、売られすぎた銘柄を中心に買い直しの動きが見られるものと思います。底入れ確認という状況にあり、強含みの展開が続くと思います。

 個別には朝方発表した決算が予想を上回ったことからマクドナルドが大幅高、好調な決算発表に反応してハネウェルが高くなりました。GE(ゼネラル・エレクトリック)は予想通りの好調な増益決算を発表したのですがエネルギー・インフラ部門の収益性の低迷を嫌気して軟調となりました。それでも、キャタピラーやボーイング、アルコアなど景気敏感株はドル安メリットを好感する動きもあって大幅高、堅調となるものが多く、アップルは軟調となったのですが、インテルやIBMは堅調となるなどハイテク銘柄は堅調なものが多くなりました。消費関連のホームデポも大幅高、格付け引き上げの話題もあってフォード・モーターも大幅高となりました。バンク・オブ・アメリカは軟調となったもののJPモルガン・チェースなど金融株も堅調、商品相場の上昇もあってエクソン・モービルなど石油株やパブリック・ゴールドなど金鉱株も高く、ほぼ全面高となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は相変わらず動きに乏しく方向感の無い展開となりました。売買高、売買代金ともに低調で売買代金は昨年12月28日以来の7000億円台となりました。米国の決算発表が本格化しており、日本でも決算動向などがみられ、決算発表を控えていることも売り買いを手控えさせ、欧州金融不安での持高調整の売り買いも一段落となったということでしょう。為替にも海外市場にも大きな動きは無く、手掛かりに乏しい週末で持高調整の売り買いも少ないと方向感も出ないのでしょう。

 週末の米国株が大幅高となったことから買い先行となりそうです。ただ、対米ドルで大きく円高に振れる場面もあったことから円高懸念も根強く、上値も限られそうです。為替の影響の小さい銘柄や円高メリットのある銘柄などが中心に物色されるものと思います。高額商品が売れている百貨店株や為替の影響の少ないインターネット関連銘柄などの動きが注目されます。また、世界的な景気鈍化懸念が薄れていることや円売り介入期待もあって、輸出株などにも堅調なものはみられると思います。円高が大きく進むことがなければ全般に堅調な展開になるのでしょう。

 引き続き日経平均は8500円〜600円水準を下値目処、8800円〜900円水準を上値目処とした範囲での動きが続きそうです。輸出企業などの決算で円高の影響を計ることになると思われ、それまでは上値の重い展開となるのでしょう。円高の影響にもかかわらず、先行きの業績に期待が持てるのかどうかというところが問題であり、円高阻止の動きがみられる、あるいは円高の影響は軽微であると示されるまでは主力銘柄は買い上がりにくく、指数の上値も限られるということになるのでしょう。

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