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» 2011年10月24日 08時00分 UPDATE

藤田正美の時事日想:決戦は水曜日、ギリシャ救済スキームの行方 (1/2)

10月23日に開かれたEUの首脳会議。結論は10月26日に改めて開かれる首脳会議に持ち越されたようだが、何が課題となっているのだろうか。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 10月23日に開かれたEU(欧州連合)の首脳会議。議題は、もちろん、ギリシャなどの債務危機に端を発した金融危機である。これに先立つ財務相会議で「実質的な進展があった」と英国のオズボーン財務相は語っているが、結局、結論は10月26日に改めて開かれる首脳会議に持ち越されたようだ。

 最大の問題は、ギリシャなどへの支援と欧州の銀行への資本注入に必要な資金があるのかどうかということだ。一部にはEFSF(欧州金融安定基金)の資金枠を現在の4400億ユーロから2兆ユーロに拡大するという案もあるが、現実にこれだけの資金を集めるとなると大変だ。

 ユーロ圏17カ国のうち、トリプルAの格付けを持っている国はドイツやフランスなど6カ国にすぎない。巨額の資金をこれらの国だけで調達するわけではないが、それでも必要資金を債券発行によって調達するとなれば、格付けの高い国ほど有利に調達することができる。しかし、新たに国債を発行することになれば、格付け会社のムーディーズはフランスの格付けを下げる方向で見直すとしており、そこがフランス政府の頭の痛いところになっている。

 もし格付けの引き下げを恐れて、フランスが資金を出し渋れば、ユーロ圏を中心とする「救済スキーム」は根底から危うくなるかもしれない。これに絡んで、フランスはECB(欧州中央銀行)がEFSFに資金を融通するということを主張しているようだが、そうなると資金繰りに困った国をECBが支援することになり、根本的なユーロ圏の原則に抵触するかもしれない(加盟国は自律的に健全な財政運営をすることになっているため、ECBなどによる救済は原則禁止されている)。

 ドイツなどは、IMF(国際通貨基金)からキャッシュを融通してもらう案も検討しているという。確かにギリシャはともかく、イタリアの国債相場が崩れたりすれば、残高だけでも1兆9000億ユーロ、約200兆円に達するだけに、とてもヨーロッパだけで手に負える話ではない。

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