相変わらず方向感に乏しい展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年10月21日 16時09分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場も日本市場と同じように方向感のない展開となり、本家本元(?)の日本も週末にもかかわらず全くといっていいほど動きはありませんでした。しかも昨日の終値を挟んでの小動きで、身動きが取れないという感じです。ここまで来ると売るに売れない銘柄も多く、目先筋の手仕舞いの売り買いもここのところの日中の値動きのちいささや方向感のなさ、売買高の少なさからほとんどみられないということなのでしょう。

 目先の値動きに反応する向きが多いので、いったん動きが膠着してしまうと、動きが止まると動けず、動けないむきが多いとますます動かないということなのでしょう。米国市場も「降れば土砂降り」とばかりに大幅高、大幅安と乱高下を繰り返す格好でしたが、動き出すと大きいのですが、動かないと全く動かない、といずれにしても極端な動きになることが多いのでしょう。「人の行く裏に道あり花の山」ということで、大人しいときにしっかりと仕込んでおくという手もありそうです。業績への懸念が根強いだけに、逆に好業績なのですが大きく売られているような銘柄に注目しても良いと思います。

 また、日中の値幅も、目先的な動きもないときは「動かないこと」で儲かるようなオプションの売りが有効なのですが、ここまで方向感がないと既に売っている人が多く、この期に及んで売りにいくというのもまたメリットが少ないという気もします。案外ここは「これだけ動かないからそろそろ大きく動く」という方向で考えてみるのもいいのではないかと思います。いずれしても買っても売っても取れない相場で何らかの工夫が必要です。

 先物やオプションを使い難いという人は動いている銘柄に飛び乗って割り切りでその日のうちに決済するつもりで短期で勝負をするか、あるいは先に述べたように先の先を期待して好業績銘柄の売られすぎ銘柄を買って放っておくと言うことになるのでしょう。売られ過ぎの銘柄を仕込んでヘッジとしてコールオプションを売っておくということや持っている現物株を担保に先物での売買で利益を出すと言うようなことも考えて見てもいいのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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