面接は「話しやすい雰囲気を作る」「相手に対して興味関心を表す」ことを前提として、「広げる」「深める」「まとめる」というコミュニケーションの技術が問われる。であれば、面接が上手いか下手かは、その人の普段の雑談する力と大いに関係しているように思う。
雑談の巧拙は、関連することに話題を変える(広げる)こと、ここというポイントで内容を掘り下げていく(深める)こと、相手の話やこれまでの会話を整理して返したり引き取って話したりする(まとめる)こと、を柔軟にできるかどうかにかかっている。話しやすい雰囲気があり、相手への興味関心が感じられる、という点でも面接と雑談は同じである。一問一答形式で、事実を単に網羅するような雑談は面白くも何ともない。
面接の力は、雑談力を普段から鍛えることで上がっていく。仕事の合い間や休憩時間や飲みながらでもいいと思うが、「話しやすい雰囲気」「相手への興味関心」、「広げる」「深める」「まとめる」という観点からコミュニケーションを見つめ直せばいい。普段、見知った相手から思いや感情を引き出したり、会話を盛り上げたりできないのに、面接だけは上手という人はいないはずだ。雑談下手が、面接官研修を受けて急に面接がうまくなることなど、考えにくい。面接上達への道は、普段から雑談力を磨き続けることである。
もちろんそれによって、学生を完全に把握することも、入社後の活躍を完全に予測することもできないのは当たり前だが、判断の確度が上がり、受けた学生の満足度も上がるのは間違いない。(川口雅裕)
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング