コラム
» 2011年10月21日 08時00分 UPDATE

雑談力がない人に、面接上手はいない (1/2)

普段、見知った相手から思いや感情を引き出したり、会話を盛り上げたりできないのに、面接だけは上手という人はいないはずだ。

[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 実績やスキルや人脈などが基本的にはない新卒採用においては、その学生のパーソナリティや能力を推し量り、その可能性を判断することが面接の目的となる。とは言え、見えるものではないし、見た目や雰囲気の影響も大きく、大学名や学生時代の活動内容による先入観からも逃れにくいから難しい。というより、いくら時間をかけても、回数を重ねても、もちろん何千人と面接した実績があるという自称“面接のプロ”だって、完全に人を把握することなどできるはずはない。

 しかしながら、つたない面接の結果、何となく受けた印象で合否の判断を下すのは危険であるし、面接を受けた学生の合否への納得性の観点からも問題がある。だから少しでも、面接の技術を上達させることは大切だ。

 面接では、その学生のパーソナリティや能力を推し量らねばならない。それは、「彼が何をやってきたか」を聞いても分からない。事実を確認しているだけだからだ。「ある状況・背景において、どう考え、どう感じ、どう行動したか」を把握することで、初めて彼の中身に触れることになる。

 状況・背景を知り、そこでどう考え、どう感じ、どう行動したかを知るためには、一問一答のような受け答えでは無理で、しっかりと説明してもらえるような質問の仕方が重要になってくる。学生が用意してきた回答を受け取るだけではなく、その場で考えて回答しなければならないような質問をできるかどうかが鍵となる。アンケートをとるような網羅的で深みのない会話は意味がない。

 面接における具体的なコミュニケーション技術は、「広げる」「深める」「まとめる」ことである。その学生が物事をどうとらえ、どう行動するかを判断できるような話題はそんなに多くはないので、まずは、そのようなポイントにたどり着くために話題を広げなければならない。そのポイントにたどり着かずに面接を終了してしまったら、失敗である。

 次に、そのポイントに来たら、そこでじっくり話を深める。具体的な描写を求めるとともに、そこでの状況のとらえ方や思考、感情を言葉にしてもらうことだ。最後に、話の内容や相手の言いたかったことをまとめ、整理して返して、こちらの理解の確かさを確認する。面接側の勝手な理解とならないよう、また学生側に伝わった実感があるようにするのである。また、このような会話が可能となる前提として、話しやすい雰囲気作りと、こちらの興味関心が伝わっていることが大切となる。

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