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» 2011年10月20日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:成功しそうでしない商売、ネットスーパーはどう運営するべき? (1/3)

成功しそうでしない商売とも言われるネットスーパー。このほど、コンビニ大手のローソンもらでぃっしゅぼーやと組んで参入することを発表した。ネットスーパーがうまくいくための条件とは何なのか考えてみた。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 成功しそうでしない商売。それにはいろいろあるが、ネットスーパーはその典型である。

 2000年前後の最初のブームでは、利益が出せないまま撤退する企業が相次いだ。撤退しない企業も細々と続けるしかなかった。ところがここ3〜4年、大型小売店の出店規制の強化と高齢化により、ネットスーパーに本腰を入れるところが増えた。

 「8の付く日」に割引きセールがあるイトーヨーカドーが最大手、「15時まで注文で当日配送」のイオンが続き、大手でも参入が早かった西友(2000年から)では、今後5年で会員数を10倍、売り上げを20倍にする計画を発表した。拡大を目指す企業があれば、サミット紀伊国屋などは都市部に限定したサービスを行うなど、特徴が出てきた。

 そんな業界に10月11日から後発参入したのが、らでぃっしゅローソンスーパーマーケット。らでぃっしゅぼーやはこの分野のパイオニアで、有機や低農薬野菜の栽培、自主企画野菜の開発、無添加食品を10万5000世帯の会員の家に直接宅配する。ローソンはスイーツやパスタの食品製造小売りで成功、ローソンファームの自主企画野菜など生鮮品に注力する。この2社の事業提携で、1000種類の商品を提供する“産直ネットスーパー”が生まれた。

ah_DSC00857S.jpg らでぃっしゅローソンスーパーマーケット

 「この提携でどんなネットスーパーを始めるか。その時、“朝市”というイメージが湧いてきました」

 らでぃっしゅローソンスーパーマーケットの野田和也社長は、記者会見で「消費者と情報・商品・サービスをダイレクトでつなぐ、そのイメージが朝市だ」と語った。

 消費者からの注文後に野菜を収穫する。ローソンPBで生活必需品を補完し、買い物困難者(忙しいビジネスマンや働くママ)を支援する。Pontaポイントもたまる(100円の購入で1ポイント)。商品点数も今後増加させる……などなど。

 産直という取り組みは良いと思うのだが、疑問もある。ヤマト運輸による最短3日後の配送は少し遅い。配送料金は競合より高め(5000円未満の購入で350〜750円=温度帯により異なる)。産直に混じるローソンPBは、配送料金を安くするための“追加品”にも見えてしまう。Pontaポイントにしても、コンビニとネットで客層はクロスするのだろうか?

 こうした疑問は、ネットスーパー全体に通じる疑問でもある。

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