米国企業の決算に対する懸念から上値が重く冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年10月19日 16時10分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高、為替も落ち着いた動きとなったのですが、米国市場の引け後に発表された米アップルの決算が好調ながらも期待されたほどではなかったことから、上値の重い展開となりました。昨日の大幅下落の反動や同様に米国市場の引け後に発表されたインテルの決算が好調なったにもかかわらず、堅調ながらも上値の重い始まりとなりました。外国人売買動向も株数では売り越し、金額では買い越しとなったことで売り買いを急ぐような動きも無く、午後になってから手仕舞い売りに押される動きはあったものの、相変わらず値動きの小さな相場展開となりました。

 米国企業の好決算に反応できないということで日本市場のやる気のなさがみられるようです。また、この日DENA(2432)が横浜球団を買収するとの報道もあったのですが、買収による負担増が嫌気されたということで大幅下落となりました。「ライブドアショック」といわれたようなところであれば、プロ野球球団を買収するというだけで何となく盛り上がったりもしたのですが、今は何でも悪い方に考えるという相場心理であり、悲観的な見方になってしまうのでしょう。

 あるいはプロ野球そのものが従来ほどの人気がないということもあるのかもしれません。ただ、ビジネスとして知名度を上げるとか、野球ゲームに自社球団の版権を利用するとかビジネスを広げるという意味では決して悪くはないと思います。人気が衰えたとはいえ、野球場には数万の人間が集まるわけですし、横浜球団といって選手の名前は知らなくてもプロ野球の球団であることを知らない人はほとんどいないと思われます。

 時代が時代だけに直接にお金が増えるとか儲かることでないものに「お金を使う」ことがイコール「浪費」とされてしまっているのだと思います。株式投資の世界でも情報に対してお金を払うとか、アドバイスに対してお金を払うということが控えられているということでもあるのでしょう。今日のDENAの動きなどは、来年の1万円よりも明日の100円と言う感じであり、100万円使って20万円儲けるよりも、10円使って2000円儲けるほうがいいというような風潮を如実に表しているような気がします。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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