ESFSの規模拡大合意や好調な決算発表を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年10月19日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8741.91▼137.69

<TOPIX>751.24▼10.64

<NYダウ>11577.05△180.05

<NASDAQ>2657.43△42.51

<NY為替>76.81

ESFSの規模拡大合意や好調な決算発表を受けて大幅高

 独仏がESFS(欧州金融安定基金)の規模を拡大することで合意したと伝えられたことや金融機関の決算が予想を上回ったことなどから金融株を中心に買い戻しも交えて買われ、大幅高となりました。芳しくない決算発表には敏感に反応する場面もありましたが、売られ過ぎの修正も見られ、大幅高となりました。欧州金融不安が薄れたことで、先行きの景気鈍化懸念も薄れて、好決算に素直に反応しているということでしょう。

 住宅関連指標も予想を上回り、改善しているということで足元の過度な景気鈍化懸念も薄れつつあるようです。世界的な景気鈍化懸念や欧州金融不安も完全に払拭されたということでもないのですが、過度な悲観論はそろそろ収まっているような感じです。好調な決算が見られるたびに、楽観論が増えて、欧州金融不安もさらに薄らいでくるのだと思います。

 個別には前日の引け後に予想を下回る決算を発表したIBMは軟調となりましたが、朝方予想を上回る決算を発表したバンク・オブ・アメリカが大幅高、赤字決算を発表したゴールドマン・サックスも出尽くし感から買戻しも入り大幅高となり、連れてJPモルガン・チェースやシティグループも大幅高となるなど金融株は軒並み急伸となりました。前日大きく下落したアルコアも大幅反発となり、キャタピラーやフォード・モーターが大幅高となるなど景気敏感株も高く、住宅市場指数が予想以上に上昇となったことを受けてレナーやトール・ブラザーズなど住宅関連銘柄も軒並み大幅高となりました。決算では四半期ベースの売上高が過去最高となったEMCが大幅高、引け後の決算で予想を上回る売上高を発表したインテルが時間外取引で買われ、大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を受けて売り先行となり、大幅安となりました。ただ、外国人は買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡となった後は売り急ぐ動きもなく、底堅さもみられました。底堅さを確認しても買戻しを急ぐでもなく大幅安水準での動きは続き、方向感のない狭い範囲での動きが続きました。中国の経済指標が発表されても特に反応はなく、売買代金、売買高ともに低水準で閑散小動きという展開でした。

 米国株が大幅高となったことや昨日の大幅下落の反動から堅調な展開が期待されます。米国金融機関の決算や半導体企業の決算も比較的堅調となっており、円高やタイの洪水の影響は懸念されるものの、ハイテク銘柄や金融株などへの過度な懸念は薄らぐものと思われます。中国景気の鈍化懸念などから中国関連銘柄を中心に上値の重さもみられるものと思われ、円高懸念が残るうちは上値の重い展開が続くのでしょう。

 日経平均は反発が期待されますが、引き続き上値の節目と考えられる8800円〜900円水準での上値の重さを確認するような動きが続くと思われます。日本独自の動きというよりは米国市場動向に振らされており、為替が大きく円安となるようなことがなければ上値の重い展開には変わりなさそうです。当面、日本市場での決算発表がみられるようになるまで為替に動きがなければ8500円〜600円水準が下値、8800円〜900円水準が上値というレンジでの動きが続くのだと思います。

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