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» 2011年10月19日 08時01分 UPDATE

ニッポンの紛争地帯をゆく・新連載スタート:なぜ中国大使館前の抗議は「定員5名」なのか (3/5)

[窪田順生,Business Media 誠]

法輪功さんの抗議待ちで、40分遅れのスタート

 そんな風に期待に胸を膨らませるも、出発時間になってもいっこうにデモ隊は出発しない。なにかのトラブルでもあったのかと参加者のひとりに聞いてみた。

 「うちらの前にやっている法輪功さんたちの抗議が長引いているみたいですね」

 法輪功とは中国の宗教法人で、政府から迫害されていると訴え、世界中で人道支援を求めている。彼らによると、信者は不当逮捕され、強制労働収容所で監禁。なかには虐殺されて臓器摘出された者までいるという。市街地で、かなりエグい遺体写真が掲載されたプラカードを手に、人道支援を求めているので、見かけた方も多いだろう。

 そんな“虐げられた人々”が大使館前に。そりゃ、 時間どおりに終わるわけがないわな。怒りで叫ぶ信者たちと警官がもみあっているイメージが頭によぎる。

 待ち時間中、モンゴル自由連盟党のオルホノド・ダ イチン幹事長のあいさつがあった。

 「私たちは中国の建国記念日をお祝いできません!」

 今年に入ってからすでに4人のチベット僧が抗議の焼身自殺をしていることや、東南アジアに逃れていたウイグル人が強制送還されてしまったことなどが告げられると、デモ隊のテンションは一気にあがっていく。これはひと騒動起きるのではないか。

 そんなこんなで気がつけば開始時刻より40分経過。ようやく警察からゴーサインが出る。さっそくカメラを構え、デモ隊が進むところをおさめようとしたが、動いたのは主催者の方たち5人。警官4人に囲まれてまるで連行されるように歩いていく背中に、残された人々が、「いってらっしゃーい」「がんばれよ」などとエールをかけている。これは……近くにいた参加者にこれはいったい何なのか尋ねると、耳を疑うような言葉が返ってきた。

 「ああ、中国大使館前は5人しかいっちゃいけないんですよ」

yd_kubota4.jpg 抗議プラカードは持ち運びしやすいよう折りたたみ式

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