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» 2011年10月18日 08時01分 UPDATE

仕事をしたら“若者はナゾ”だった:なぜ男性ファッション誌『smart』は売れているのか(後編) (1/3)

男性ファッション誌の『smart』が売れている。販売部数はここ3年で1.5倍に拡大した。読者は15〜25歳の人が多いというが、どのようにして若い男性の心をつかんだのだろうか。編集の裏側を、太田智之編集長に聞いた。

[土肥義則,Business Media 誠]

 「雑誌や本が売れない」と叫ばれるようになってから久しいが、その中でも部数を伸ばしている雑誌がある。そのひとつが男性ファッション誌の『smart』(宝島社)だ。販売部数はこの3年で1.5倍増の24万部。日本ABC協会によると、2位の『MEN'S NON・NO』(14万部)を大きく引き離している。

 「男性ファッション誌は買ったことがない」という人も多いだろうが、なぜ『smart』は売れているのか。そのナゾを、太田智之編集長に迫った。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。

 →なぜ男性ファッション誌『smart』は売れているのか(前編)

若い男性のニーズはどこに?

yd_smart02.jpg 『smart』(2011年8月号)

土肥:今の若い人はあまりモノを買わない、と言われていますよね。男性ファッション誌の編集をしていて、若い世代のニーズはどこにあると感じていますか?

太田:昔と比べ、1枚のシャツを購入するのに、ものすごく慎重になる人が増えてきたように感じています。「このシャツ、コストパフォーマンスはどうなんだろう?」と気にかけている人が多い。また「この服、いいなあ」と思っていても、なかなか購入しない人が増えているようですね。

土肥:服だけでなく、雑誌もそうですよね。『smart』は1冊690円。また付録が付いている関係上、本屋で立ち読みができない。それって、不利ではありませんか?

太田:立ち読みができないことで、不利だなあと感じることはないですね。雑誌の中身を読むことができなくても、表紙を読めば分かるようにパッケージにこだわっていますので。A4サイズの表紙にどこまで"カロリー"を入れられるかが、勝負だと思っています。文字の色ひとつとっても、5%濃さが違うだけで与える印象が大きく変わります。

土肥:「若者は、ナニを考えているのか分からない。ナゾが多い」といった声を聞くことがあります。太田編集長は、若い男性をどのようにとらえていますか?

太田:価値観がグルグルひっくり返って大変です。ファッションに関していえば、流行り・廃りのスピードがものすごく早くなっていますね。例えば、数年前まで、フェイクレザーはあまり人気がありませんでした。以前は「これってフェイクだよね、本物じゃないよね」といった人が多かったのですが、今では「フェイクレザーの方が軽くていい」「本皮よりも値段が安いし、手入れも簡単」といった声をよく聞きます。

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