大幅高となるも「閑散に売りなし」で値持ちのいい展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年10月17日 16時11分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週末の米国市場は大幅高となり、為替も円安となったことから、買い先行となりました。ただ、外国人も売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡となった後は閑散としたなかで方向感に乏しい展開となりました。売られすぎた銘柄の修正はみられるものの、腰の据わった買いが入っているというよりは売り一巡から売り手控えられているなかで買戻しが入り指数を押し上げているという感じで、物色対象も絞り切れず、大幅高の割には全くといっていいほど盛り上がりに欠ける展開でした。

 米国株式市場で指数の動きは日中でも大きいのですが、日本の市場は最近は全く日中には動きがなくなりました。朝方、米国市場動向や為替動向などに振らされて買われる、売られるということはあるのですが、寄り付いたあとの動きが非常に鈍く、売買代金も低迷しているという状況です。日経平均の先物も日本時間の日中取引よりも米国市場を見ながらの夜間取引の方が動きがあるというような状況で、いつもこのコラムで述べていることですが、本当に何を見て売買をしているのか、という感じです。

 来月から東証の株式取引時間が長くなりますが、取引時間が長くなるからといって、売買高が増えるということでもないのでしょう。結果論からいえば、商社株にしても非鉄株にしても、そしてハイテク銘柄などにしても、円高だから売られるとか、工場の操業が停止しているから売られるということでなく、売られたから買われ、買われたから売られるというような目先の需給、値動きだけに影響されているようなことではないかと思います。目先の動きに右往左往することなく、売られすぎたところで買って、買われすぎたところで売ればいいだけのことなのですが、その投資尺度がはっきりしないような感じです。

 それでも、好調な業績を続けている企業の株価がいつまでも割安というところに放置されるということはなく、いずれは見直されることもあるということではないかと思います。ですから、投資をする上では、じっくりと配当を取って保有している銘柄と先物や信用取引でばたばたと値動きを追う銘柄をしっかりと分けて考えるといいのではないかと思います。そして、時間や値幅の損切りの水準を決めていけば、じっくりと大きくとり、損を少なくすることができるのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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