太田:読者は本当にファッションだけが大好きなのか――。読者は本当に毎号読んでくれているのか――。この2つの前提を疑うことから、雑誌作りが始まっているといった感じです。
土肥:その結果、他の男性ファッション誌と違うモノができあがったというわけですね。
太田:もちろん毎号購入していただいている読者もたくさんいるので、既存読者を大切にしたコンテンツも作ります。と同時に「今月号の特集は面白そうだから、買ってみよう」と新しい読者が増えるようなコンテンツにも力を入れています。
最新号(11月号)では、SDN48が人気つけ麺店のラーメンを食べるという企画を立てました。
土肥:つけ麺とSDN48? 男性ファッション誌なのにつけ麺ですか?
太田:Twitterのクラスタを調べてみると、つけ麺好きはたくさんいるんですよ。この特集を読んだ人は「悪乗りしているなあ」と感じるかもしれませんが、結果、テレビやスポーツ紙にも取り上げられました。面白いものと面白いものを編集して、新しい市場を生みだすのも編集の力だと思います。
また市場というものを重視しますね。編集者の中には「自分はこの洋服が嫌いだから掲載しない」という人がいます。例えば渋谷で流行している服があるのに「嫌いだから……」という理由だけで掲載しない。
しかし読者からすれば、“編集者の好み”というのはどーでもいいことなのかもしれません。今、どんなことが流行しているのか。それを雑誌に取り込むことはできないだろうか。そんなことばかり考えていますね。
(続く)
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