コラム
» 2011年10月12日 08時00分 UPDATE

2割の働き者側に回るか、8割のテキトー者側に回るか? (1/2)

真面目に働く者が2割、テキトーに働く者が8割で社会が回っていくという「2:8(ニ・ハチ)の法則」。私たちはどちらの生き方を選ぶのが幸せなのだろうか。

[村山昇,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)

キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行なう。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。


 「人生の幸福は“鈍感さ”で決まる。この世は鋭い人間ほど不幸を味わうようにできている。だから幸せになりたかったら鋭い人間にならないことだ」と悪神は耳元でささやく……。

 悪神のささやき(その1)

「人生の幸福なんてもんは“鈍感さ”で決まるのさ。この世は鋭い人間ほど不幸を味わうようにできているだろう。だから、幸せになりたかったら、ゆめゆめ鋭い人間にならないことだね。幸福は絶対量じゃなく、充足度だからさ。高いものを求めれば求めるほど、現実との差で苦しみが増す。10の者が、殊勝にも100を求めるところから不幸は始まるんだ。10の者が、6か7で満足していれば、それはもう幸福そのものさ。野心にしても、向上心にしても、ホドホドに留めておくのが賢い生き方ってもんだ」

 アリやミツバチ、そして人間の社会には「2:8(ニ・ハチ)の法則」なるものがあって、真面目に働く者が2割、テキトーに働く者が8割で社会が回っていくらしい。ちなみに、アリの巣から2割の働きアリを取り除くとどうなるか? すると不思議なことに、真面目な働きアリが2割現れて巣全体が存続していくという。

 ……じゃあ、いつまでもしぶとく、テキトー組に居座っていたほうがラクに生きられる。そう考えたくもなる。

 確かに、会社組織を見渡してみても、問題意識が鋭敏で仕事ができる人間にはどんどん仕事が集まってくる。そのため、仕事で身体を壊すのは決まって鋭敏なできる社員だ。会社のテキトー族が過労で倒れることなど聞いたことがない。

 組織内でヘタに向上意欲を持ち、「成長だ」「変革だ」などと責任感を背負って頑張るより、叱られない程度・クビにならない程度に鈍くテキトーに立ち回る側にいたほうが、シアワセなサラリーマンライフを送れる──これが組織の中の処世術なのかもしれない。

 “テキトー”という言葉が悪ければ、“ホドホド(程々)”という表現でもいいのだが、いずれにせよ「ホドホドは身を助ける」という生き方が勝利を得ている現象を私たちは少なからず目にする(ホドホドにどっぷり浸かっている人間からはこの状況があまりよく見えないだろうが)。

 「2:8の法則」の“2”の方に回る生き方か、“8”の方に回る生き方か。「鋭く・上を目指して」の行動を起こすのか、「鈍く・テキトーに」の行動で流すのか。私たちひとりひとりは、心の内で常にその綱引きをしながら一瞬一瞬、1日1日、1年1年を生きている。そして、10年、20年という時間単位を経て、各々の人生コース・生き方の模様は独自のものとして固まっていく。

 悪神のささやき(その2)

 「ほう、ホドホドの生き方じゃ駄目だってことかい。しかし、“もっともっと”っていうお盛んな欲を持った人間が成果を1人占めしようとして、世の中の差別と蔑みを生んでるんじゃないのかい。いったいぜんたい、お前さんは「2:8」の“2”の人間が、富の8割を押さえている世の中をどう思う? 我々は今こそ古人の言葉に耳を傾けるときではないのかね。──“足るを知れ”と」

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