盛り上がりに欠けるが大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年10月11日 16時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 日本市場が3連休中に米国株が大幅高となったことや欧州」金融不安が薄れてユーロが反発となったことから買い先行、大幅高となりました。ただ、寄り付きの買いが一巡となった後も値持ちは良いものの、買い上がる動きも限られ、指数は方向感なく膠着となりました。上値の重さを嫌気して売り急ぐようなこともなく、逆に底堅さを見て買い戻しを急ぐでもなく最後まで動きのない、大幅高の割に盛り上がりに欠ける展開となりました。

 欧州金融不安や米国の景気鈍化懸念が薄れたにも関わらずまだまだ疑心暗鬼ということなのでしょう。ユーロで円高一服となったと言ってもまだ100円を割れようかという水準であり、各企業の想定している水準よりも1割も2割も円高水準であり、また、米ドルに関しては全く動きがなく、この円高水準をまるで容認しているかのような状況です。円高に対する懸念、つまり、円高であるから企業業績が芳しくないという懸念があるうちは積極的に指数が上値を追うような買い方は出来ないということでしょう。

 欧州金融不安も金融機関へ資金注入が期待されることや、今回のベルギーの銀行破たんでも影響がほとんどみられないということがわかったので、今後は一段落となって来ると思われます。これで、欧州の景気が回復してくれば、欧州の利上げなどが取りざたされ、信用不安も払拭されてユーロが買い直されることになるのだと思います。

 同様に日本市場と違い欧米ではデフレという状況にあるわけではないので、景気回復の兆しがみられれば円安に振れる場面も出て来るのだと思います。米国企業の四半期決算の発表も始まりますが、ここで企業業績の底堅さ、好調さが確認されれば、いったん円安に振れる場面も出て来るのかもしれません。日本企業の決算も円高の影響が懸念されますが、売られすぎている銘柄などは慎重な見通しを発表しても「悪材料出尽くし」となって来る可能性もありそうです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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