海外赴任経験者、6割が「帰任後の自分について不安に思ったことがある」

» 2011年10月11日 13時00分 公開
[Business Media 誠]

 ビジネスパーソンにとっては栄転、出世の階段の1つとされることも多い海外赴任。海外で働くことにはさまざまな壁があるものだが、海外赴任経験者たちは会社からどのような支援を受けていたのだろうか。

 産業能率大学の調査によると、海外赴任が決まる前後に勤務先の会社で何らかの教育を受けたという人は81.0%。具体的には「リスク・安全対策」が59.8%で最も多く、「英語」(51.6%)、「赴任先の業務知識(法務・貿易実務など)」(50.9%)、「赴任者との交流(経験の共有)」(47.9%)、「自社の海外戦略・海外展開」(44.2%)が続いた。

 また、海外赴任中に会社から何らかの教育を受けたという人は66.0%。具体的には赴任前と似たような傾向で、「英語」が49.4%で最も多く、「リスク・安全対策」(42.7%)、「(英語以外の)赴任先言語」「赴任者との交流(経験の共有)」(それぞれ42.1%)などが多かった。

赴任前教育(出典:産業能率大学)

 さまざまな教育を受けているようだが、85.2%とほとんどの人が「海外赴任中に不足を感じた知識や能力があった」と回答。特に「英語力」(37.1%)や「異文化適応力」(36.2%)で不足を感じたという人が多いようだ。

不足を感じた知識や能力(出典:産業能率大学)

半数以上が帰任後に不安

 日本から離れた場所で長期滞在するわけだが、「赴任中に帰任後の自分について不安に思ったことがある」という人は63.8%と半数を超えた。

 不安の内容では「海外の経験が生かせない」が42.6%でトップ。以下、「日本の仕事のやり方や進め方になじめなくなる」が36.4%、「日本本社の変化に付いていけなくなる」が35.4%、「社内の情報にうとくなってしまう」が31.7%で続いた。

 インターネットによる調査で、対象は過去5年以内に初めて1年以上海外に派遣された経験を持ち、派遣当時、日本に本社を持つ従業員300人以上の規模の企業に所属していたビジネスパーソン500人。調査期間は3月25日から30日。

帰国後の自分についての不安(出典:産業能率大学)

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