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» 2011年10月10日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:年収200万円時代を生き抜ける都市設計のあり方 (1/2)

生計の主な担い手でありながら、年収200万円の“時給の仕事”を強いられている人たちが日本には1000万人いるというちきりんさん。その問題を解決するために、仕事の多い都心部に格安で生活できるエリアを作るべきではないかと主張します。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2008年11月20日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 前回の記事「1000万人を『月給の仕事』に!」で……

(1)「時給の仕事」で一生食べていくのは無理である

(2)しかし、現在の日本では「時給の仕事をしている生計の主な担い手」が1000万人近くいる

 ……と計算し、企業が非正規雇用の労働者1889万人のうち半分以上の1000万人を正社員にしないとこの問題は解決しないと書きました。

 しかし企業側は……

(3)「国際的な競争力を維持するためには、それは不可能」

 ……と言います(ちきりんには「中高年正社員の高過ぎる給与を守るための詭弁」にしか聞こえませんが、今日の論点はここではないので突っ込むのはやめておきます)。

 (1)(2)(3)を前提とするならば、この1000万人は年収200万円でずっと生きていく必要があり、その人たちは従来の日本人が想定していた“中流ライフ”を送ることは不可能です。では、どんな人生になるのでしょう?

 人生で大きなお金が必要になるのは以下の4つです。

(A)日々の生活資金

(B)家を買う(OR一生分の賃貸料を払う)→「住宅資金」

(C)子どもを産み育てる→「子育て資金」

(D)老後を自分のお金で過ごす→「老後資金」

 このうち、生計の主な担い手でありながら時給の仕事にしか就けていない1000万人に稼げるのは日々の生活資金だけであり、住宅や子育て、老後の資金の調達は難しいでしょう。

 そのため、次のようなことが起こると考えられます。

(b)住宅資金が払えない→病気やけが、失業などで簡単にホームレス化する

(c)教育資金が払えない→少子化が回復しない

(d)老後資金が払えない→高齢の生活保護世帯が急増する

 この事態の解決法として、「だから経済成長が大事なのだ」という意見があります。確かに規制緩和や中央集権制度の打破により、自由で多様性に富んだ環境を作り、再び経済成長を目指すことも重要です。

 しかし、「経済を活性化させて全体に底上げすれば、貧しい人にもお金が回ってくる」というのは嘘ですよね。先端の企業や個人がいくら国際競争力を手に入れて稼いでも、自然に下々までお金が回ってくるわけではありません。先端は先端、底辺は底辺なのです。

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