現在最先端をいく新世代のロケーション・エンタテインメントというと、シェルドン・アデルソン会長がリーダーとして経営するラスベガスサンズコーポレーションが運営しているベネチアンホテルです。2007年にはラスベガスと同じスペックで少し大きな敷地を使ってマカオにも作られ、2010年には3つの棟を建てて、57階でスイミングプールを乗せてつなげるという奇抜なデザインのマリーナベイサンズをシンガポールで開業しました。
マリーナベイサンズはSMAPのiPhoneのテレビCMでご覧になった方も多いと思いますが、単に豪華絢爛な建物を建てるだけではなく、その建物の中にエンタテインメントやリテール、スパ、フィットネス設備も複合的に入れるということを戦略的に考えた建物が、現在最も成功しているロケーション・エンタテインメントのコンセプトだと言われています。
ロケーション・エンタテインメントのコンセプトとしては、まず建物がなければいけませんが、それだけではなく、その周辺の空間がいかにデザインされているか、その空間への導線がどういった構想によって作られているかということが重要です。そして、建物を立派なものにしても、人とのインタラクションを無視すると成功しません。先ほどのソニーのベルリンセンターの画像をご覧いただきましたが、建物が立派であっても人との融合性に欠けると、ロケーション・エンタテインメント面から見ると、その開発は失敗ということになります。
最後に恐らく最も重要なことはエンタテインメントのスタイルです。こういった施設の中でどういったエンタテインメントがプレゼンテーションされているか、さらにそのスタイルが実際に現在の消費者のニーズに合ったものかどうかということが非常に重要だと思います。
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