米国株が大幅高、ユーロなど為替も落ち着いていたことから買い先行となり、日本市場も大幅高となりました。米国でハイテク銘柄を中心に大きく買われたことで、円高を嫌気して大きく売られていたハイテク銘柄が買い戻しを交えて買われて大幅高となり指数を押し上げる動きとなりました。本日は昨日とは違って値持ちがよく、外国人は相変らず売り越しと伝えられたのですが特に売り急ぐような場面はみられず、米国株高や商品相場高を受けて大幅高となりました。ただ売られすぎたものが買われて指数も大幅高となったようで、新たな買い手がみられたとか腰の据わった買いが入ったということでもないようでした。
欧州金融不安が薄らいだということでもないのでしょうがイタリア国債格下げもほとんど気にされなかったことで、敏感に反応し過ぎた分の修正ということなのでしょう。ウォール街でデモが起き、拡大しているのですが、「格差是正」というスローガンはどうもアメリカという国と合わないような気がします。「アメリカンドリーム」ということで、どんな人でも大きなチャンスがあるということでこれまで本日亡くなったジョブズ氏なども含めて起業などに対して寛容な国ではなかったかと思います。
アップルにしてもマイクロソフトにしてももちろん「天才」のひらめきで成功した部類に入るのでしょうが、こうした成功するのも「自由」というのがアメリカではなかったかと思います。それだけ成熟した社会で「アメリカンドリーム」といわれる成功物語も少なくなっているのかもしれませんが、最近でもGOOGLEやFACEBOOKの成功という例もあり、デモをする前にやることがあるような気がします。金融機関の従業員が良い給料をもらっていても、すぐに首になってしまうように天国と地獄が「紙一重」というところもあり、リスクとリターンの関係からいえば他人をうらやんでばかりもいられないと思います。
日本でも終身雇用が崩れ、「実力主義」という名のもとに要領の良い人間だけが「おいしい」思いをしているようなところもあると思います。この証券業界でも消えていった人間は数知れず、仕事が出来るとかできないとがいうレベルでもなく、タイミングと要領だけで生き延びている人間も数多くいると思います。どこの会社でも仕事の能力だけではなく、使いやすい人間かどうかということで判断したりしているのではないかと思います。終身雇用が崩れたことや「社用族」がいなくなったことも日本でデフレが進行している一つの理由ではないかと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング