予想を上回る指標の発表やM&Aのニュースなどを受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年10月06日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8382.98▼73.14

<TOPIX>726.25▼9.93

<NYダウ>10939.95△131.24

<NASDAQ>2460.51△55.69

<NY為替>76.78▼0.04

予想を上回る指標の発表やM&Aのニュースなどを受けて大幅高

 前日の大幅高の反動もあって冴えない始まりとなりましたが、ISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況感指数が前月より小幅悪化したものの予想を上回ったことやADP全米雇用リポートも雇用者数が予想を上回って増加、週末の雇用統計に対する期待もあって買われ堅調な展開となりました。M&Aの話題がいくつかみられたことや欧州金融不安が薄らいで商品相場も堅調となったことなどから買戻しも入り大幅高となりました。

 欧州金融不安が薄れ、金融機関の決算も好調と伝えられたことで安心感も出たようです。足元の企業業績が大きく悪化しているということではないので売られすぎの水準では買いも入るようです。M&Aの話題が出てくるということも資金が回転しているということや買収するほど安くなっているという見方もでき、センチメントが好転してくる兆しとも考えられます。まだ、景気鈍化懸念なども出てくるのでしょうが、過度な悲観は少し薄れたのかもしれません。

 個別にはマイクロソフトがヤフーの買収を検討していると伝えられたことからヤフーが大幅高、マイクロソフトも堅調となり、英ボーダフォンもリサーチ・イン・モーション(RIM)の買収を検討していると伝えられ、RIMが大幅高となりました。ヒューレット・パッカード(HP)はパソコン事業の分離について今月中に結論を出すと伝わって堅調、インテルやノキアも大幅高となるなどハイテク銘柄は軒並み堅調となりました。四半期決算で強気な見通しを示したモンサントが買われ、投資判断の引き上げがあったウォルト・ディズニーも高くなりました。四半期決算を発表、大幅増益ながらも採算の悪化が嫌気されコストコ・ホールセールは軟調となりました。金や原油の先物など商品相場が高くなったことで、パブリック・ゴールドやシェブロンも大幅高となり、キャタピラーなど景気敏感株も高くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高やユーロ高を好感して買い先行となったものの、ユーロがじりじりと安くなるに連れて軟調となりました。外国人も引き続き大幅売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡となると上値の重さを確認して手仕舞い売りや見切り売りも嵩んだものと思います。好材料に反応し切れずに売られるものもみられ、軟調となりました。

 本日の日本市場はさすがに米国株高や為替の落ち着きから買い先行となりそうです。ただ、日中の為替動向や外国人売買動向など目先の需給に振らされることもまだまだ多いのではないかと思います。海外市場で商品相場の下落が一服、資源株なども堅調となったことから、日本市場でもここのところ資源価格の下落が嫌気されて売られていた商社株や非鉄株などは反発となってくるのだと思います。為替の落ち着きもあって売られすぎたハイテク銘柄などの輸出関連銘柄もいったん買戻しも入り堅調な展開が期待されます。

 日経平均は8500円〜600円の節目を再度試す動きとなりそうです。下値も8300円台での底堅さも確認されたものと思われ、大きく円高に振れることがなければ底堅く、円安に振れることがなければ上値が重いような動きとなりそうです。当面は8200円〜300円を下値、8500円〜600円水準が上値というもみ合いとなり、為替の方向性や世界景気動向次第でその水準を抜けてくるのだと思います。

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