旅人を“丸抱え”――オンライン旅行会社エクスペディア、強さの秘密郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2011年10月06日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

日本での存在感が高まってきた

 エクスペディアはそんな日本旅行業界に攻勢をかける。2010年に導入した「ダイナミックパッケージ」(宿や移動手段などを自由に組み合わせられる)の効果もあり、過去2年で取扱件数は2倍、取扱金額は3倍になった。どんな層がエクスペディアを利用しているのか?

 「3つの層ですね。1つ目は若者層、モバイルやソーシャルに敏感な学生たち。2つ目はリタイヤした高齢者層。彼らはオンライン予約より店頭予約を好みます」

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 改めて、エクスペディアの事業規模をまとめよう。北米、欧州主要国、中国を含むアジア諸国など世界20カ国向けに旅行サイトを開設。月間ユニークユーザー7400万人、年間ホテル予約6700万泊(2009年=世界)。日本市場ではまだオンライン予約の割合は2割ほど、代理店の店頭や宿泊施設へ直接予約が7割とされ(JATA調査)、伸びる余地は大きい。

 「3つ目の層はエクスペリエンス・トラベラーです」とスコットさん。

 エクスペリエンス=経験には2つの意味がある。まず「旅慣れた旅人」である可処分所得の高い25〜35歳の女性。ユニークな旅をしたい彼女たちは、日本人ばかりのパッケージ旅行にガマンがならない。もう1つの意味は「出張の猛者」。いつも仕事でキリキリ舞いのビジネスパーソンにとって、宿も飛行機も自在に組み合わせて5分で予約完了するのはうれしい。経費削減の折り、最低価格保証も重要だ。

 「Japanese customers are savvy for deal」

 “日本人はお得に聡い”とスコットさんは笑わせる。だが、安いだけで世界最大になったわけではない。彼らは旅のポートフォリオをsavvyに“総取り”している。

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