なぜチョコレートを食べると、仕事の効率が上がるのかできる人の脳が冴える30の習慣(2/4 ページ)

» 2011年10月04日 08時00分 公開
[米山公啓,Business Media 誠]

 チョコレートにより、交感神経の活動が抑えられて、逆に副交感神経の活動がアップしたため、リラックスできたのです。これによって脳にリセットがかけられ、また仕事への意欲も生まれてくるといえるでしょう。

 他のお菓子と比較してみると(グラフ2)、青の線のチョコレートの方が黒の線のビスケットや点線のキャンディに比べて、副交感神経の活動を上げていることが分かります。

(グラフ2)

 こういった自律神経の変化には大きな意味があります。交感神経が興奮してくると、緊張が高まり、これが持続してしまうとストレス状態となります。さらに持続が続くと、ストレスホルモンともいえる、副腎皮質ホルモンが分泌されて、脳の記憶に関係する海馬と呼ばれる神経細胞を壊したり、免疫力を低下させたりしてしまいます。

 交感神経の緊張を早く低下させることで、仕事をしていても脳を早くリラックスさせることができます。一方では、逆に副交感神経を刺激して、早くリラックス度を上げることも可能です。

 チョコレートを食べることで、交感神経の活動が低下して、副交感神経の活動が活発になっていることから、仕事で疲れたと思ったときにチョコレートを食べることで、脳をリラックスさせてリフレッシュできることが、分かります。

 ちなみに、私は「キットカット オトナの甘さ」というお菓子が大好きなのですが、試しに実験してみたところ、チョコレートよりさらに副交感神経が高まりました。あのウエハースとビスケットの合わさった独特の口当たりやかみごこちなどの触覚の刺激によって、より高いリラックス度が得られているのかもしれません。

 私の知り合いの企業では、実際にキットカットをおやつに食べるようにして、業務効率向上に役立てているところがあります。それも、こういった自律神経への影響を、有効に働かせるためと考えられます。

 また、余談ですが、コミュニケーションのテクニックとしてのチョコレートの有効性も考えられます。会社の仕事の合間にチョコレートを食べることで、社内の雰囲気が和らぎ、会議での発言が増えたり、創造性を発揮しやすくなる場合があるのです。

 またチョコレートを仲間に勧めたりすることで、社内コミュニケーションが活性化するなど、会社全体の生産性向上につながってくるのです。そういうわけで、仕事ができるビジネスパーソンを目指すなら、オフィスのお菓子はチョコレートにするのがお勧めです。

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