なぜチョコレートを食べると、仕事の効率が上がるのかできる人の脳が冴える30の習慣(1/4 ページ)

» 2011年10月04日 08時00分 公開
[米山公啓,Business Media 誠]

できる人の脳が冴える30の習慣

 この連載は書籍『できる人の脳が冴える30の習慣』から抜粋、再編集したものです。「頭が冴えない」「仕事が進まない」――ビジネスパーソンなら誰しも一度は経験がある、注意散漫で業務がはかどらない状態。それは、脳が同じ仕事に慣れてしまい、飽きてしまっているのが原因です。脳を効率よく活動させるためには、定期的なリフレッシュが欠かせません。

 脳活性化の第一人者で、医学博士の米山公啓氏は、現代の疲労を抱える忙しいビジネスマンやOLに日常生活のちょっとした工夫や行動で脳を活性化させ、「冴える脳」にする30の方法について本書で紹介しています。


できる人の脳が冴える30の習慣:バックナンバー

 →ビジネスパーソンの味方、“ブドウ糖”をうまくとる方法


 仕事を続けていると、同じペースで仕事ができなくなってきます。これは、同じ刺激が脳に続けて入ってくると、その刺激に慣れてしまい、仕事の効率が落ちてしまうからです。

 脳には同じことを繰り返したいという機能と、新しいことに興味を持つという機能と、二面性があるのです。それをうまく使っていかないと、仕事の効率も落ちてしまいます。

 脳を休ませリセットすることは、脳に入ってくる情報を、新しい情報だと思わせる効果があるわけです。そのために、脳の別な場所を使ったり、脳の唯一のエネルギーであるブドウ糖を補充しなければいけないのです。

 この脳を休ませることと、ブドウ糖の補充を同時にできるのが、おやつの時間であり、休憩中のちょっとしたお菓子類ということになります。

チョコレートを食べると、副交感神経が活性化し、リラックスできる

 実際におやつのときに食べるお菓子が自律神経機能にどう影響するのか、実験を行いました。

 まず、働いている30歳から40歳代の男女9名を3つのグループに分け、椅子に腰掛けて10分間の安静状態を保ってもらいました。その後700から7を引く計算をできるだけ多く、5分間やってもらい、お菓子を食べて、その後、さらに15分間安静にし、自律神経がどのように働くか測定しました。

 3つのグループには、それぞれチョコレート、キャンディー、ビスケットの3種類を食べてもらいました。被検者の心拍変動より解析を行い、 交感神経と副交感神経の活動をモニターし解析したのです。

 44歳の男性は、計算負荷をかけることにより、青の線の交感神経の活動が一時的に高くなりました(グラフ1)。これは緊張状態であり、ストレスを感じている状態です。その後、チョコレートを食べてみると、急激に交感神経の活動が低下して、黒の線の副交感神経の活動が上がっています。副交感神経が活発になったということは、緊張がなくなり、リラックスした、ということを表しています。

(グラフ1)
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