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» 2011年10月03日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:1000万人を「月給の仕事」に! (1/2)

「月給の仕事」より安定しない「時給の仕事」。企業や経済団体からは「働き方の多様化はいいことだ」という声も聞かれますが、ちきりんさんが「時給の仕事」で生計を立てることを強いられている人を計算したところ1000万人ほどいるということです。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2008年8月2日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 正社員を「月給の仕事」とすると、大半の非正規雇用の仕事は「時給の仕事」と言えます。「1カ月働いていくら」ではなく、「1時間働くといくら」の仕事です。

 時給は業種や地域によりさまざまですが、仮に時給1000円として計算すると、1日8時間、週に5日働いて月16万円になります。年に48週間働くと総労働時間は1920時間、年収192万円です。これは税金や社会保障費を引かれる前の額面収入ですから、手取りはさらに低くなります。

 また、1日8時間の「時給を稼ぐ時間」のために片道45分かけて通勤し、ランチに1時間、休憩が30分とすると、8時間働くための総拘束時間は1日11時間です。

 時給1000円は法定最低賃金よりかなり高いのですが、それでも1日11時間拘束されて年収200万円以下にしかならないと考えると、実家住まいや共働きでなければ「時給の仕事では食べていけない」と言えるでしょう。

 もちろん「月給の仕事」より稼げる「時給の仕事」もありますが、それは例外的です。しかも、時給は長年働いてもほんの少ししか上がりませんから、「時給の仕事をしている限り、一生、ワーキングプアレベルの生活から抜けられない」ということになります。

 ただ、単純作業的な仕事、すなわち企業側からみて時給支払いにせざるを得ない仕事は、どの国でも必ず存在します。ゼロにすることはできません。しかし、そういった仕事の数は「生計の主たる担い手以外の労働者数」とマッチしていることが、雇用状況としては望ましいのです。

 「生計の主たる担い手以外の労働者」とは、学生アルバイトや専業主婦のパート、年金を受け取っている人の補足的な労働などです。こういった立場であれば年収200万円以下でもいいし、自らそれくらいのレベルで働くことを希望する人も多いでしょう。

 したがって、そういう人の数の合計が「日本に存在してもいい時給の仕事数の上限」とも言えるわけです。反対に言えば、「生計の主たる担い手の数だけは、月給の仕事が必要」なのです。

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