中国景気懸念も根強く乱高下清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年09月30日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8701.23△85.58

<TOPIX>762.30△8.23

<NYダウ>11153.98△143.08

<NASDAQ>2480.76▼10.82

<NY為替>76.83△0.25

欧州金融不安は一段落、雇用指標も予想を上回ったが中国景気懸念も根強く乱高下

 朝方発表された新規失業保険申請件数が予想を下回り、雇用の改善がみられたことや独議会で欧州金融安定基金(EFSF)の機能拡充法案を可決したことで米国での景気鈍化懸念や欧州金融不安が薄らぎ買戻しを交えて大幅高となる場面がありました。ただ、その後中国企業の会計問題を米司法省が調査しているとのニュースが伝わり、中国景気鈍化懸念も根強いことからハイテク関連の中国企業を中心に売られ、それでなくても半導体企業の下落で上値の重かったナスダック指数は大幅安となる場面もありました。結局、ダウ平均は切り返して大幅高、ナスダック指数は下げ幅を縮小して軟調となりました。

 ちょっとした材料で指数は大きな動き、乱高下となりましたが、ユダヤ教の祝日ということで、若干市場参加者が少なかったことや四半期末での持高調整などもあったものと思います。ただ、乱高下とはなったものの金融不安が薄れたことで、景気動向をにらみながら少しは落ち着いた展開になって来るのだと思います。

 個別には前日の引け後に業績見通しを下方修正したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅下落、連れて、インテルなど半導体関連銘柄は軟調となりました。欧州金融不安が薄れたことでバンク・オブ・アメリカやシティグループ、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株は軒並み大幅高、金先物価格は小幅安となったものの原油価格が堅調となるなど商品相場も落ち着いて、エクソン・モービルなどの石油株、パブリック・ゴールドなどの金鉱株も堅調となり、中国景気鈍化懸念は残るものの、米雇用指標の好転でキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなど景気敏感株も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安などから売り先行となり、前日の冴えない相場ということもあって下げ渋る場面もあったのですが、円高を嫌気する動きなどから一時大幅安となりました。ただ、先物にまとまった買いがみられて指数を押し上げる場面がみられたことやユーロが急上昇となる場面もあってユーロ高に連れるように堅調となりました。最後も先物の買い戻しや1日早い「お化粧買い」とみられる持高調整の買いもみられ高値圏での引けとなりました。特に材料があったということではなく目先の需給に振らされたものと思います。

 米国市場は乱高下となり、落ち着かない展開ですが、日本市場は為替も比較的落ち着いていることもあり、また、月末・期末のお化粧買い期待もあって堅調な展開となりそうです。週末・月末ということで最後まで買い切れない可能性もありますが、欧州金融不安も一段落となったことから配当取りの売りをこなして堅調な展開が期待されます。ただ、米国で半導体株が売られ、中国景気鈍化懸念も根強いことから内需株中心の物色になると思います。また、商社株など資源株の反発も期待されますが、戻りも限定的となりそうです。

 8500円〜600円水準での底堅さが確認され、欧州金融不安が一段落となったことで、今度は8800円〜900円水準の節目を目指すことになりそうです。期末のお化粧買いが入れば本日にでも8800円水準に突っかける場面はあるのでしょうが、円高が止まる、ここからさらに円高になる懸念が薄れるということがないと8800円〜900円水準の節目をしっかりと抜け難いのではないかと思います。為替に振らされながらのもみ合いが続きそうです。

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