アフター3.11、ビジネスパーソンはどう変わった? (前編)仕事をしたら“グラッ”ときた(2/6 ページ)

» 2011年09月30日 08時08分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

土肥:黒田編集長、ご自身はどうでしょう……震災後、価値観は変化しましたか?

黒田:私は1995年の阪神・淡路大震災を経験しました。東日本大震災に比べ、阪神・淡路大震災で受けた被害の面積は小さく、原発の問題もなかった。今回の震災と比較すると、地域限定的なものでした。

 だから、もし阪神・淡路大震災が起きたあとに「震災を機に仕事に対する価値観は変わりましたか?」と同じ質問をしても、今回ほど多くはなかったでしょう。

土肥:そうですね。阪神・淡路大震災が起きたのは午前5時46分。出勤前の時間帯で、まだ寝ている人も多かった。一方の東日本大震災が起きたのは金曜日の午後2時46分。多くの人は仕事をしていました。

黒田:今回は首都圏で帰宅困難者がたくさんいました。なので「自分も当事者だ」という意識を持った人が多いのだと思われます。

多様な価値観をつくることに

黒田:また「震災を機に仕事に対する価値観は変わった」と答えた人に、どう変わりましたか? と聞きました。すると「家族との時間を大切にしたいと考えるようになった」(52.2%)と答えた人が最も多かった。

 震災前の日本経済はリーマンショックからの“復活期”で、まだ景況が本格的に回復していない状況。働く価値観として「収入」「ステイタス」を重視し、「仕事を中心にした生活」というタイプの人が多かった。ほとんどの人が、いわば“稼ぐこと”を基点に働いていた。

 そうしたときに震災が起き「いざというとき、やっぱり家族が大事なんだ」「どうせ働くのなら、人の役に立つ仕事がしたい」「自分が住んでいる地域に貢献したい」といった考えを持つ人が増えてきています。この流れは結果として、多様な価値観をつくることになるのではないか、と考えています。

(出典:リクナビNEXT)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.