欧州金融不安が根強いことや中国などの景気鈍化懸念も指摘されて大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年09月29日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8609.95△5.70

<TOPIX>754.07△5.52

<NYダウ>11010.90▼179.79

<NASDAQ>2491.58▼55.25

<NY為替>76.58▼0.24

欧州金融不安が根強いことや中国などの景気鈍化懸念も指摘されて大幅下落

 前日の大幅高の反動、引け際の上げ幅縮小の流れを受け、また、欧州金融不安が根強いことや中国の景気鈍化懸念も取りざたされて大幅安となりました。朝方発表された耐久財受注も予想に反して前月比でマイナスとなったことも売り急がせる要因の一つとなったものと思います。バーナンキFRB(連邦準備理事会)議長の講演の中でも経済対策や金融対策に言及がなかったことも失望感から見切売りを誘い下げ幅拡大となりました。

 引き続き欧州金融不安に対して神経質になっています。加えて信用収縮の流れ=リスク許容度の低下から商品相場も軟調となり、投機的な買いが止まって商品相場が下落しても「中国景気鈍化」と結び付けられて株式市場も売られるというような状況になっています。耐久財受注も前年同月比では大きくプラスとなっているように、依然として実体経済の悪化がみられるということでもないのですが、いろいろな「懸念」が市場に対して疑心暗鬼にさせているようで、「懸念」を払拭することが必要ということでしょう。

 個別にはノルウェーのソーラーパネル製造会社が工場閉鎖を検討していると発表されたことでファーストソーラーなど太陽電池関連銘柄が売られ、減益決算を発表したマコーミックやダーデン・レストランが売られました。多機能携帯端末への参入を表明したアマゾン・ドット・コムは堅調、好調な決算を発表したジャビル・サーキットは大幅高となりました。FRB議長の講演に失望、金融不安も根強いことからバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株は軒並み大幅下落、中国景気の鈍化懸念からキャタピラーやアルコアなどが大幅安、金や原油先物など商品相場の下落を受けて、パブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなど金鉱株やモンサントなども大幅安、エクソンモービル度石油株やインテルなどハイテク株も総じて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高などを受けて買いが先行となったものの、配当落ちということもあり、上値の重い展開となりました。為替が円高気味ということで買いあがれず、かといって金融不安が薄れて売られ過ぎの修正がみられるなかでは売り急ぐ動きも限られ、指数は小動きとなりました。一時軟調となる場面もありましたが、終始配当落ちを埋めるように前日の終値近辺での動きとなりました。

 再度欧州金融不安が取りざたされて米国株が大幅下落となったことから日本市場も軟調な展開となりそうです。ただ、昨日の相場である程度織り込まれていたものと思われ、また、ユーロは軟調となったものの、米ドルは底堅くなっており、下値も限定的となりそうです。信用収縮懸念や景気鈍化懸念が根強いことで昨日大きく売られたハイテク銘柄などのリバウンドも限られそうで、為替の影響の少ない内需株に消去法的に買われるものがありそうです。中国景気の鈍化懸念も取りざたされており、中国関連銘柄や資源株などに売りが嵩む可能性もありそうです。

 引き続き8500円〜600円水準での動きとなりそうです。この水準が「戻りの節目」なのか、この水準での底値固めとなるのか、外部環境次第という感じもありますが、為替動向をにらみながらということになりそうです。円高が進むようであれば、この水準から買い上がり難いのでしょうし、円安になればこの水準からは売り難いということになりそうです。為替に大きな動きがなく、欧州での金融不安に一喜一憂し右往左往しているうちは8500円〜600円水準での底値固めと見ても良いと思います。

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