ギリシャ問題の進展が好感されて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年09月28日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8609.95△235.82

<TOPIX>748.55△19.70

<NYダウ>11190.69△146.83

<NASDAQ>2546.83△30.14

<NY為替>76.82△0.47

金融不安はぬぐい切れず上げ幅縮小となったものの、ギリシャ問題の進展が好感されて大幅高

 ドイツとギリシャの首脳会談などギリシャ問題に進展が見られたことが好感されて大幅高となりました。欧州金融不安は根強く、引け際にはギリシャ問題からの金融機関の損失拡大を懸念するニュースもあり上げ幅縮小となりましたが、足元の業績が悪いということでもないことから信用収縮懸念が薄れたことで大幅高となりました。朝方発表された住宅価格指数も4カ月連続で前月比で上昇となり、住宅価格の下げ止まり感が好感された面もあると思います。

 足元の景況感がまだ大きく悪化しているということではないので、ギリシャ問題から欧州金融不安=欧米の金融機関の損失拡大と信用収縮懸念が薄れると売られ過ぎということになるようです。ですから、信用収縮懸念が薄れてリスク許容度が上昇すると改めて割安感が強いということで買われることになるのだと思います。極論すると金融機関が資金の出してとして機能してさえいれば、つまり、信用供与という形でも何でもリスクを取れる資金が市場に出ているのかどうかが問題ということなのでしょう。

 個別には金や原油の先物が高くエクソン・モービルやシェブロンなど石油株は高くなったのですが、パブリック・ゴールドは堅調となったものの、ニューモント・マイニングは軟調となるなど材料に反応し切れないものもあったようです。欧州金融不安は薄れたものの、引け際にギリシャ問題からの損失拡大が懸念されるということでバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株は軟調となりました。キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、フォード・モーターなど景気敏感銘柄は堅調なものが多くみられました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は欧州金融不安が薄れ米国株が大幅高となったことや前日の大幅下落の反動から大幅高となりました。寄付きから買い先行で始まり大幅高となったものの上値も重く、方向感に乏しい展開が続いたのですが、値持ちの良さから買戻しを急ぐ動きや配当取りの買いが入り引け際から買い急ぐ動きとなって高値引けとなりました。為替に振らされる場面もあったのですが、売り急ぐこともなく値持ちの良い展開となりました。

 昨日に引き続き欧州金融不安が薄れたことや米国株が大幅高となったこと、また、為替も比較的落ち着いていることなどから買い先行となりそうです。ただ、米国市場でも引け際に急速に上げ幅を縮小したように金融不安や世界的な景気鈍化懸念が根強いこともあり、上値も限定的となりそうです。昨日の引け際に配当取りと思われる買いも見られたことから配当落ち分(60円〜70円)を超えて上昇するようであれば手仕舞い売りも嵩んで来ると思われます。昨日同様に物色対象が絞られるというよりはまだまだ売られ過ぎの水準訂正で全体的に堅調となってくるものと思います。

 節目とみられる8500円水準を抜けてきたことで8500円水準での値固めとなってきそうです。8500円水準を割り込むとことでは売られ過ぎ感が強まり、逆に現状では8800円〜900円水準では上値も重くなるような感じではないかと思います。円高が止まる、世界的な景気鈍化懸念が薄れる、欧州金融不安が払拭される、また、日本経済の進む方向性が示されるような政策が見られるというようなことがないと上値の節目である8800円〜900円水準を抜けて、上昇トレンドにはならないと思います。

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