欧州金融不安が薄れ、買い戻しを急ぐ動きもあって大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年09月27日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8374.13▼186.13

<TOPIX>728.85▼15.69

<NYダウ>11043.86△272.38

<NASDAQ>2516.69△33.46

<NY為替>76.35▼0.26

欧州金融不安が薄れ、買い戻しを急ぐ動きもあって大幅高

 欧州金融当局者が欧州金融安定基金(EFSF)の機能拡充などからギリシャの債務削減や欧州銀行の資本強化等の対応策を打ち出せそうだとの見方が強まり、売られすぎた銘柄を買い直す動きや買い戻しを急ぐ動きから大幅高となりました。欧州財政問題や欧州金融機関への懸念が薄れるというようなニュースや欧州での利下げもあり得るというようなニュースに右往左往させられながらも、株価は上昇、大幅高となりました。

 金融不安に対し、信用収縮懸念に対して決定的な解決策がみられたということではないのですが、懸念が薄らぐだけでも株価には大きな反応となるようです。今後も欧州問題のニュースや米国の景況感を示す経済指標等には敏感に反応して株価も右往左往することも多くなるのでしょう。さすがにこの水準から大きく下落するところでは値ごろ感からの買いや底堅さを確認してからの買い戻しなどもみられるようです。

 個別には全日空(9202)に新型旅客機の1号機を納入したと発表したボーイングが買われ、自社株買いを発表したバークシャー・ハザウェイが大幅高となりました。欧州金融不安が薄れたことでバンク・オブ・アメリカやシティグループ、JPモルガン・チェースなど金融株が軒並み大幅高となり、キャタピラーやアルコア、IBMが大幅高、GE(ゼネラル・エレクトリック)やフォード・モーターも堅調となるなど景気敏感株やハイテク銘柄も堅調となりました。アップルは部品発注を減らしたことから販売減が警戒されて一時大きく売られましたが、最後は買い戻しも入り小幅安にとどまる等、ちょっとしたニュースに敏感に反応していました。

本日の相場

日経平均

 3連休明けの日本市場は週末に海外株安も一段落となったことから、売りもの勝ちながらも底堅い始まりとなりました。ただ、外国人も金額では売り越しと伝えられ、円高気味ということで買い手控えられ、さらに円高がじりじりと進むと改めて売り直されるという状況で大幅安となりました。海外市場で商品相場が軟調、特に金先物が大きく売られたことなどから、これまで以上に信用収縮=リスク許容度の低下がみられ、リスク回避の動きが嵩んだものと思われます。

 米国株が大幅高となったことや昨日の大幅下落の反動、為替が比較的落ち着いていることなどから、買い先行となりそうです。ただ、まだまだ世界的な金融不安も根強く、為替も引き続き円高基調となっていることなどから戻りも限定的となりそうです。日本で経済活性化の施策や円高対策がしっかりと示されないと買い戻しは入っても積極的に買い上がる動きは限定されそうです。売られすぎた銘柄が幅広く戻すということで物色対象も絞り切れないのではないかと思います。昨日の相場で大きく下げた小型銘柄の大きな反発が期待されます。

 日経平均は節目とみられる8500円〜600円水準を割り込み下値を試す動きとなりました。下値めどとすれば8200円〜300円水準ということになるのでしょうが、本日の相場で8500円台までしっかりと戻れば8500円〜600円水準を固める動きになる可能性もありそうです。8500円前後で上値を押さえられてしまうと、今度は8500円〜600円水準が上値の節目ということになってしまいそうです。

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