コラム
» 2011年09月27日 08時00分 UPDATE

松田雅央の時事日想:白熱電球販売禁止! EUの家庭用ランプ事情 (1/2)

欧州でも白熱電球から省エネランプへの切り替えが進んでいる。省エネランプの普及に取り組む姿勢は日本と同じだが、その手法は違う。電力消費量を削減するために、欧州ではどのような取り組みを見せているのだろうか。

[松田雅央,Business Media 誠]

著者プロフィール:松田雅央(まつだまさひろ)

ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


 EU(欧州連合)諸国でも白熱電球から省エネランプへの切り替えが急速に進んでいる。電力消費量を約8割削減できる省エネランプの普及に社会全体で取り組む姿勢は日本と同じだ。しかしその手法は異なり白熱電球の製造・販売禁止が義務化されている。ここではEUの家庭用ランプ最新事情をお伝えしたい。

yd_matuda.jpg 家電量販店の省エネランプコーナー

2016年に完全移行

 さすがに白熱電球の販売を一気に禁止すると混乱するので、ワット数の高いものから順に実施されている。EU環境指令「No.244/2009」に基づき、まず100ワットを超える白熱電球が2009年、75ワット以上が2010年に禁止され、この9月1日からは60ワット以上が店頭から姿を消した。2012年には40ワットと25ワット電球も続き、2016年からはエネルギー効率の高い、いわゆる省エネランプだけが購入可能になる。例外として特殊なランプ、例えば車両用ランプ、高温に耐えるオーブンのランプ、冷蔵庫内部のランプなどは60ワット以上でも2012年まで禁止が猶予される。

省エネランプへの移行プロセス

2009年9月1日より

  • すべての白色白熱電球、白色ハロゲンランプの禁止
  • 100ワット以上の透明白熱電球の禁止

2010年9月1日より

  • 75ワット以上の透明白熱電球の禁止

2011年9月1日より

  • 60ワット以上の透明白熱電球の禁止

2012年9月1日より

  • 40ワットと25ワットの透明白熱電球の禁止

2016年9月1日より

  • 省エネランプ、省エネハロゲンランプへの完全移行

 これまで実施された白熱電球の製造・販売禁止により大きな問題が起きたという話は聞かない。禁止以前から小売店の白熱電球コーナーは小さくなり、代わりに省エネランプの種類が増えていたので、ほとんどの消費者がおのずと省エネランプへ切り替えていたはずだ。省エネランプの価格は高いが、節電でき寿命も長いということで消費者は納得している。

 ただし、ここでいう販売禁止とは「白熱電球を新たに入荷して販売できない」という意味で、小売店が在庫を販売することはOK。根気よく探せば売っている店を見つけられるかもしれないがそれも一過性で、近い将来、白熱電球は完全になくなる。白熱電球の製造と販売の禁止はEU域内に適用され、EU外からの輸入や個人的な持ち込みも禁止だ。消費者はもちろん白熱電球の寿命が尽きるまで使い続けてかまわない。

 市民の白熱電球への愛着は強く、ちょっとした抜け道的な販売方法もある。先日、小売店をのぞいたら60ワットとほぼ同様の「55ワット白熱電球」が売られていた。また、照明ではなくあくまで暖房器具として白熱電球を製造販売する業者も若干存在する。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -