世界的な信用収縮が見られ、下値を試す展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年09月26日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8560.26▼180.90

<TOPIX>744.54▼12.59

<NYダウ>10771.48△37.65

<NASDAQ>2483.23△27.56

<NY為替>76.61△0.09

世界的な信用収縮=リスク許容度の低下が見られ、下値を試す展開

 日本市場が休場となっている間の米国市場は大幅下落、その後週末には底堅さもみられたのですがFOMC(公開市場委員会)の発表に対する警戒感、失望感から立ち直れていないということのようです。新規失業保険申請件数も予想を上回るなど雇用への不安もぬぐい切れず、FRB(連邦準備理事会)の金融政策に対する失望やQE3(量的緩和)を催促する動きもあって買い切れないということでしょう。好調な業績を示す企業も多いのですが、経済実態以上に悲観的になっているようです。

 週末には底堅さもみられましたが、下値を探る動きとなっています。先月からFOMCでQE3が示されるのではないかという期待が強かったことの反動やいっこうに欧州の財政問題、金融不安が解決されないということで、値ごろ感からの買いが入っても利益が出ればすぐにでも売ってしまうような動きとなっているのではないかと思います。世界的な景気鈍化も懸念が先走りしているようではあるのですが、今一つ楽観的になれないということでしょう。ただ、ここからは売られ過ぎの修正もみられ、底堅い展開は続きそうです。

 個別には週末は前日の引け後に予想を上回る決算を発表したナイキが大幅高、四半期配当の増額を発表したマクドナルドも買われました。金融不安が薄れたわけでもないのですが、週末の買い戻しもあってバンク・オブ・アメリカやシティグループが大幅高、JPモルガン・チェースも堅調となるなど金融株がそうじて堅調、ヤフーが大幅高となり、インテルやIBMも高くなるなど、週末の買い戻しも交えてハイテク銘柄も堅調となりました。景況感は相変らず良くはないのですが、手仕舞いの買い戻しもあってGE(ゼネラル・エレクトリック)やフォード・モーターなど景気敏感株は高いものが多かったのですが、キャタピラーは中国など新興国の景気鈍化懸念に押されるように小幅安となりました。金先物価格が大きく下落したことが嫌気されて、パブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなど金鉱株が安くなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株安や中国経済指標の悪化を受けて売られ大幅安となりました。為替も日本時間では円安気味となったのですが、特に材料視されることもなく、買い手がかりに乏しい中で、3連休を控えた週末ということで手仕舞い売りや見切売りも嵩んで大きな下げとなりました。先々週の週末は3連休を控えていたにもかかわらず大幅高となったのですが、今度は見切売りも嵩んで大幅下落となりました。

 週末の米国市場は反発となったものの、日本市場が休場の間に大幅下落となりました。ユーロも一時大きく売られる場面もみられるなど日本市場も下値を試す動きとなりそうです。為替に落ち着きがみられるようであれば、底堅さもみられるのでしょうが積極的に買い上がるには米国市場動向等もみたいということで戻りも鈍く、上値の重い冴えない展開となるのではないかと思います。3連休前に手仕舞い売りに大きく押された主力銘柄の中には反発となって来るものもみられると思います。

 日経平均は8500円〜600円水準の節目での底堅さがみられるのかどうかが注目されます。8500円を割り込むところからは売り難く、底堅さを見て買い戻しが入るのかどうかというところでしょう。為替次第という気もしますが、引き続き当面は8500円〜600円水準が下値、8800円〜900円水準が上値というようなもみ合いのなかでの動きとなりそうです。円高の修正などがみられると8800円〜900円水準を抜けるのでしょうし、金融不安が強まり、信用収縮の動きが強まると8500円〜600円水準の節目を割り込むということなのでしょう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.