FOMCに対する失望感と、景気鈍化懸念が強まったことから大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年09月22日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8741.16△19.92

<TOPIX>757.13△2.09

<NYダウ>11124.84▼283.82

<NASDAQ>2538.19▼52.05

<NY為替>76.52△0.05

FOMCに対する失望感と、景気鈍化懸念が強まったことから大幅下落

 朝方発表された中古住宅販売が予想を上回って好調となったことやFOMC(公開市場委員会)での景気対策期待などから買い先行となりました。その後はFOMCの結果待ちということで様子見気分が強まり、FOMCの結果が発表されると「ツイストオペ」に関しては効果を疑問視する向きもあり、また織り込み済みということで手仕舞い売りや見切売りが嵩み、さらに米経済が「著しい下方リスク」に直面しているというFRB(連邦準備理事会)のコメントが伝わると、手仕舞い売りや見切売りを急ぐ動きもあって大幅下落となりました。

 頼みの綱のFRBがQE3(量的緩和)ということではなく、「ツイストオペ」の導入にとどまったことや、景気鈍化に対する懸念が根強いことを示したことから、大きな下げとなりましたが、昨年と同様に、今後は更なる金融緩和(=QE3)や景気対策を期待しながら値ごろ感を探るということになりそうです。鳴り物入りでFRBの動向を気にしていた向きには失望感が強いということでしょう。ただ、足元の業績が好調なものも多く、金融不安が一段落となれば、売られ過ぎの修正などもみられると思います。

 個別には前日の引け後に発表された予想を上回ったオラクルが大幅高、業績見通しが予想を上回ったアドビ・システムズも顕著となり、1株利益が予想を上回ったゼネラル・ミルズも高くなるなど好調な決算には素直な反応となっていました。CEO(経営最高責任者)更迭のうわさが伝わったHP(ヒューレット・パッカード)も高くなりました。長期債務格付けを引き下げられたバンク・オブ・アメリカが大幅下落、シティグループ、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスなど金融株は大幅下落となりました。景気鈍化懸念が強まったことから、キャタピラーやアルコア、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感株も軒並み大幅安となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は後場に入ってから持高調整とみられる買いもみられたのですが終始方向感はなく指数も小動きとなりました。為替も動きは少なく、米国株もまちまちとなって手がかりに乏しく、米FOMC(公開市場委員会)などを控えて動き難いという状況でした。金融不安や景気鈍化懸念は根強いものの、足元の業績は好調なものも多く、売り切れず、買い切れず、という状況でした。

 米国株が大幅下落となったことやユーロがまた軟調となり、米ドルも弱含みとなっておりこともあり、売り先行となりそうです。引き続きユーロ安の影響が大きな銘柄は売り直されてしまいそうで、米国景気鈍化懸念が強まったことから自動車株など米国景気の影響が大きな銘柄群も売りが進みそうです。3連休を控えた週末ということで、先週のように買戻しも入るのでしょうが、米FOMC(公開市場委員会)の結果も示されたことでもあり、失望感も含めて手仕舞い売りが嵩むと思われます。

 引き続き日経平均の8500円〜600円水準での底堅さを試すことになりそうです。日銀のETF(上場投資信託)買いも大きく下落となるところでは出てくるのでしょうが、下値を試す動きには違いなさそうです。ちょうど昨年と同じようなパターンでここからさらに、日米欧の経済対策や金融政策を注目していくことになりそうです。当面は8500円〜600円を下値、8800円〜900円水準が上値というもみ合いとなりそうです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.