売り飽き気分もあって底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年09月21日 16時07分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株はまちまちとなり、為替も動きはなく、外国人も株数は売り越し、金額は買い越しとちぐはぐな展開となりました。特に買い急ぐ材料も、売り急ぐ材料もなく、寄り付きから方向感に乏しい展開となりました。昨日引け値を挟んでの動きでしたが、後場に入ってまとまった持高調整とみられる買いがみられると堅調な水準での動きとなりました。上値は重いのですが、売り急ぐこともなく、指数は小動きに終始していた感じです。

 連休の谷間だからということでもないのでしょうが、何に反応しているのかどうか良くわらからないような相場展開が続いています。値上がり上位銘柄や値下がり上位銘柄をみても、売られていたから買われ、買われていたから売られて安くなっているという感じです。為替に反応しているようでいて、為替が動いても為替の影響が少ない銘柄が大きく動いたりと、いつものことではあるのですが、目先の需給に振らされている感じです。

 世界的な景気鈍化懸念と、割安感とかせめぎ合うところであり、市場の雰囲気に流される場面と個別の材料に反応する場面があるのはわかるのですが、いったん「わぁー」と動いた後は狭い範囲での動きが続くということが多く、一部の市場参加者のまとまった売り買いなどに振り回されているような気もします。まあ、それもまた相場であり、大きな流れとしては決してそうしたちょっとしたまとまった売り買いなどに振らされることはないのでしょうが、大きなトレンドに方向感がみられない時には目先の需給だけに振らされることになるのでしょう。

 世界的な大きな流れとしては欧州金融不安がどこまで実体経済に影響を与えるのかということではないかと思います。金融機関の資金が潤沢にあり、ギリシャなどの国債で損失が出ても銀行そのものには影響がないということがわかれば、欧州金融不安からの信用収縮=リスク許容度の低下懸念が薄らぎ、戻り歩調のトレンドとなって来るのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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