ここ数年で普及が進んだスマートフォン。ソフトバンクモバイルがiPhoneを販売したのが2008年。そして2011年に入り、NTTドコモ、auからさまざまなAndroid搭載端末が発売されたことで(auからはWindows Phone 7端末も登場)、電車の中などでスマートフォンユーザーを見かける機会が急激に増えた。
OSからハードウェアまでAppleが一社で開発・製造しているiPhone/iPadと違い、Android端末はさまざまなメーカーが製造しているのが特徴だ。それだけにAndroid端末は機種やメーカーによって個性があり、OSが同じでも実際の使い勝手に大きな差があるのもまた事実。「端末の特徴を見極めて自分に合ったものを選ぶ」ことが大切になってくる。
最近ときどき耳にするのが「グローバルスマートフォン」を略した「グロスマ」というキーワード。世界各国で販売している、海外メーカー製のスマートフォンを指す。現在日本で購入できるものだと、サムスンテレコムジャパン「GALAXY S II」(NTTドコモ)、HTC「HTC EVO WiMAX」(au)、Apple「iPhone 4」(ソフトバンクモバイル)などがグロスマの代表例。逆に、国内メーカーが製造するスマートフォンは「ガラスマ」と呼ばれるようだ。赤外線通信、おサイフケータイ、ワンセグといった日本の携帯電話独自の機能をサポートしている機種が多い。
グロスマは上記のような機能を搭載しない半面、作りがシンプルで、動作が軽快でスムーズ、ユーザーが使えるメモリ領域が潤沢で、アプリをたくさんインストールできる、バッテリー容量が多いといったメリットがある。
難しいのは、これらのメリットは「実際に使ってみないと分からない」ポイントだという点だ。例えば、タッチパネルを指で操作したときの追従性は満足感を大きく左右するし、アプリを少ししかインストールできないスマートフォンは楽しさ半減だ。さらに問題なのがバッテリーのもち(参照リンク)。一般にAndroid端末はバッテリー消費が速く、機種・使い方によっては、朝フル充電して日中ちょっと使っただけで、夕方にはバッテリーが切れているということも珍しくない。
以下の調査は、実際にスマートフォンを利用しているユーザーをグロスマ・ガラスマユーザーに分け、購入理由や満足度などを聞いたものだ(参照リンク)※。
端末を購入した理由の1位は、グロスマが「使い勝手が良さそうだから」(36.7%)。ガラスマは「日本独自の機能が付いているから」(63.7%)。
購入後、実際に利用してみた満足度を「とても満足している」を100点、「まったく満足していない」を0点として5点きざみで評価してもらったところ、80点以上の合計はガラスマで36.7%、グロスマで64.4%と、グロスマユーザーの満足度がガラスマユーザーを27.7ポイント上回った。逆に購入したことを「とても後悔している」「どちらかというと後悔している」ユーザーを合わせると、グロスマが全体の5.1%、ガラスマが12.7%となった。全体的な数値としては低いが、ガラスマユーザーのほうが高い比率になっている。
満足度が100点以外のユーザーに不満な点をたずねると、グロスマ・ガラスマともに「バッテリーのもちが悪い」が1位。グロスマユーザーの49.5%、ガラスマユーザーでは実に76.5%がバッテリーのもちが不満と回答している。グロスマでは「日本独自の機能が使いたくなったが付いていない」(30.6%)、「文字が入力しづらい」(21.8%)、「端末の重量が重い」(14.6%)が、ガラスマでは「突然再起動や強制終了するなど不具合が多い」(34.2%)、「タッチパネルの反応速度が遅い」(30.4%)、「文字が入力しづらい」(28.5%)が2〜4位に続いた。
これまでの携帯電話選びでは、デザインや機能、スペックなどを重視することが多かった。また、このメーカーの操作体系が好き、という人も多かったのではないだろうか。しかしAndroidやWindows Phoneなど同じOSの携帯電話を複数のメーカーが作るスマートフォンの場合、「グロスマかガラスマか」という視点で見てみるのも役立ちそうだ。
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