手仕舞い売りに押されて冴えない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年09月21日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8721.24▼142.92

<TOPIX>755.04▼13.09

<NYダウ>11408.66△7.65

<NASDAQ>2590.24▼22.59

<NY為替>76.47▼0.11

FOMCの声明発表を控え様子気味気分が強く、手仕舞い売りに押されて冴えない展開

 イタリア国債の格下げなど引き続き欧州金融不安やそれに伴う世界的な景気鈍化懸念が根強いなかで、FRB(連邦準備理事会)に対する期待や前日にいったん大きく売られた反動などから堅調な展開となりました。ただ、芳しくない住宅関連指標やFOMC(公開市場委員会)後の声明発表待ちということで、売り買いともに手控え気味で、最後は手仕舞い売りも嵩んでダウ平均は小幅高、ナスダック指数は軟調となりました。

 金融不安=信用収縮懸念は根強いものの「FRBが何とかしてくれると」という期待もまた根強いようです。ただ、しっかりと金融政策を見極めたいという見方から売り買いともに手控え気味となっていました。足元の企業業績は好調なものもみられ、懸念されているほど経済指標も悪くはないのですが、金融システムの問題が根強いことで、どうしても「リーマン・ショック」時の記憶があって、割安感が出ていても景気鈍化懸念が払拭されるまでは買い切れないということなのだと思います。

 個別にはアップルはダウ平均構成銘柄に採用されるとの思惑や引き続き買い直しの動きが続いて堅調、連れてIBMやインテルなども高くなりました。ただ、景気鈍化懸念も根強いことからキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなど他の景気敏感株は軒並み軟調となりました。欧州金融不安からバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど銀行株は軟調、金先物価格が暴騰となり、ニューモント・マイニングは大幅高となるなど金鉱株は高くなりました。冴えない動きとなっていたハイテク銘柄の一角もアドビシステムが引け後に減益ながらも好調な見通しを発表して時間外取引で買われ、オラクルも好調な決算を発表して同様に時間外取引では買われています。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の大幅高の反動や欧州金融不安を受けて売り先行となりました。朝方、イタリア国債格下げのニュースもあり、売りが嵩んで大幅安となりましたが、外国人は引き続き買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡となった後は底堅さもみられました。手仕舞いの売り買いはみられるものの積極的に持ち高を増やすような動きはみられず、売り買いともに手控え気味で冴えない展開となりました。

 米国市場は方向感のない展開となり、為替も大きな動きはみられないことから、日本市場も小動きとなりそうです。米FOMC(公開市場委員会)の結果を受けて米国株式市場がどのような反応をするのかを見極めたいということで、売られたものが買われ、買われたものは売られるのでしょうが、市場全体の方向感には乏しいのではないかと思います。ユーロ安も一服となっていることから、ユーロ安を嫌気して売られた銘柄などは買戻しもみられるのではないかと思います。

 日経平均の水準としては8800円〜900円水準での上値の重さを確認したような格好となりました。欧州金融不安や米国の景気鈍化懸念などが払拭される、あるいは昨日も述べたように円高対策から円高への懸念が薄れるようなことにならないとなかなか上昇トレンドとはならないのだと思います。こうした懸念が残るうちはまだまだ下値の節目である8500円〜600円水準を試すこともあると思われます。

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