かつて老練な政治家やベテラン大臣、官僚が用いてきた手段だが、今回のタバコ問題に関し、厚労相や他の閣僚間で周到な根回しが行われた気配は皆無だ。
先に当欄でも触れたが、民主党が掲げる「政治主導」のスローガンは、官僚をうまく使いこなしてこそ初めて実現できるものだ。過度に気を遣う風潮はいかがなものかと思うが、現実問題として、予算という人質を取られている以上、他の省庁は財務省に頭が上がらない面がある。
厚生労働省が掲げる正論とは別に、余計な気遣いを他省に強いるような大臣は、有能な官僚を使う上司として適切なのか、大いに疑問だ。
新内閣の顔ぶれを見ると小宮山氏を含めて初入閣のメンバーが少なくない。今後、厚労相のような突発的な発言が続出する公算は高いと言わざるを得ない。
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