昨日の反動やユーロ安を嫌気して売り急ぐ動きもあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年09月14日 16時15分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8518.57円 ▼97.98円
売買高 17億7640万株
売買代金 1兆1175億4000万円
値上がり銘柄 285銘柄
値下がり銘柄 1286銘柄
騰落レシオ 99.08% ▼10.83%

日経平均

米国株高を受けて買い先行となるも昨日の反動やユーロ安を嫌気して売り急ぐ動きもあって大幅下落

 米国株が堅調となったことや為替も比較的落ち着いていたことから、買い先行となりました。ただ、寄り付きからの買い戻しが一巡となるといったんは買い直す動きもみられたのですが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が相変らず売り越しと伝えられたこともあり、上値の重い展開となりました。上値の重さを嫌気するとユーロがじりじりと売られたこともあり、軟調となりました。昨日買われたものが売られ、売られたものが買われるような展開でしたが手仕舞い売りも嵩みました。

 後場に入るとユーロ安が一段と進んだこと、欧州でのギリシャ債務問題をめぐる会合を控えていることから手仕舞い売りを急ぐ動きもみられ一時大幅安となる水準まで売られました。さすがに8500円水準を意識するところでは買い戻しもみられましたが、特に材料がないなかでここまで売られるという状況で、買い気の乏しさを示していました。リスク回避=信用収縮からの株式売り、債券買いの動きもみられ、指数を下押す要因となったものと思われます。売り買いの大きな材料というよりは目先の需給に振らされています。

 小型銘柄も見切り売りが嵩んで軟調なものが多くみられました。主力銘柄以上に買い気の乏しい中でちょっとした売り物で大きく値を崩すものも多く、東証マザーズ指数とジャスダックTOP20は大幅安、二部株指数と日経ジャスダック平均も軟調となりました。先物はまとまった売り買いが散発的にみられ、指数を押し上げたり、押し下げる場面もありましたが、断続的な売り買いがみられることもほとんどなく、先物が主導して大きく方向感を示すようなこともありませんでした。

 個別銘柄を見ても指数も割安感が強いのですが、いっこうに切り返し戻りを試すような動きになりません。ギリシャ債務問題がサブプライム問題の時のように金融恐慌を引き起こし、景気後退につながるのではないかとの懸念が世界的にリスク許容度を低下させ、株式投資どころではないということになっているようです。ただ、各国の政府・金融当局はサブプライムの時の学習効果もあるのでしょうし、サブプライムの時と大きく違うのはあのときはどこの銀行がどれだけ損をしているのかが全くみえない状況でした。今回の金融危機はギリシャ国債にしてもその他の国の国債にしてもそれほど多くのデリバティブが出ているというわけでもなく、ある程度先がみえているのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

 堅調な動きでしたが下値を試す動きとなってしまいました。ストキャスティックスは底値圏にあり、RSIは方向感はなく、底堅さがみられても良いところです。上値は基準線や転換線に押さえられるのでしょうが底堅さを確認して戻りを試す動きとなるのではないかと思います。

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