資金供給不安が薄れ、買戻しもあって乱高下のなか反発清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年09月13日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8535.67▼201.99

<TOPIX>741.26▼14.44

<NYダウ>11061.12△68.99

<NASDAQ>2495.09△27.10

<NY為替>77.19▼0.41

欧州金融不安は根強いが、資金供給不安はいったん薄れ、買戻しもあって乱高下のなか反発

 米国株式市場は乱高下となりました。最後は買い戻しを急ぐ動きもあり、ナスダック指数は大幅高となるなど堅調となりましたが、まだまだ疑心暗鬼な相場展開が続いています。ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念が強まり、欧州銀行に対して懸念が強まり、EDB(欧州中央銀行)総裁が無制限の資金供給を表明したのですが、信用収縮は止まらず総じて売りが先行する格好となりました。先週末の大幅下落の反動から買戻しもみられたのですが、下げ止まりませんでした。

 ただ、ギリシャと並んで懸念されていたイタリア国債購入を中国が検討していると伝われると売られ過ぎの修正もあって買戻しを急ぐ格好となり、指数も堅調となりました。ただ、まだユーロ圏全体に対しての信用収縮懸念は強まっており、波乱は続きそうです。ECB総裁が銀行システムに対する懸念を緩和するような資金供給を表明しており、信用不安が行き過ぎた分の修正はみられるものと思います。ECBに続いてFRB(連邦準備理事会)でも資金不安のないことを示せば一気に不安も薄れるのではないかと思います。

 個別には証券会社が「強い買い推奨リスト」に加えたと伝えられたオラクルが堅調、インテルやアップル、IBMなどが値ごろ感からの買いも入って堅調となりました。ECB総裁の無制限の資金供給の話があったことなどから、金融不安が一服となり、JPモルガン・チェースなど金融株も堅調、大規模なリストラを発表したバンク・オブ・アメリカも高くなりました。キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄は軟調となりましたが、ホーム・デポやウォルマートなど商品関連銘柄に高いものがみられました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の米国市場が大幅下落となったことを受けて売りが先行となり、一時ユーロが大きく売られる場面もあって大幅安となりました。金融不安が強まったことから、主力銘柄を中心に世界的な信用収縮=リスク許容度の低下がみられ、大きな下落となったものと思われます。各国の金融政策や景気対策などに対する失望感も売りを急がせる要因となりました。

 米国株は乱高下となりながらも堅調となったことやユーロが大幅に反発してきたことから日本市場も買い先行となりそうです。それでもまだ、金融不安や景気鈍化懸念が払拭されたということでもなく、目先の反発はみられるものの、本格的な底入れということでもなさそうです。それでも売られすぎている銘柄も依然として多く、輸出関連銘柄の反発や内需株の消去法的な物色は期待してもよさそうです。上げ一服となったゲーム関連株などの買い直しも見られるかもしれません。

 節目とみられる8500円〜600円水準での底堅さがみられるかどうかというところです。昨日の大幅下落の後ということや比較的為替も落ち着いたことから、底堅さもみられるのでしょうが、まだまだ円高傾向が止まったということでもなく、欧米での金融不安も根強いことからまだ、上値も重いと思われます。円高が止まる、あるいは金融不安が払拭されるということがないとまだ8500円〜600円水準での下値固めが続くのでしょうし戻る場面でも8800円〜900円水準での上値の重さを確認することになるのでしょう。

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