ユーロが一段安となって売りが嵩み大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年09月12日 16時18分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8535.67円 ▼201.99円
売買高 16億9391万株
売買代金 1兆0710億9600万円
値上がり銘柄 152銘柄
値下がり銘柄 1451銘柄
騰落レシオ 100.40% △0.60%

日経平均

週末の米国株安を受けて売りが先行、ユーロが一段安となって売りが嵩み大幅下落

 週末の米国株が大幅下落となったことから、日本市場も売り先行となりました。欧州での金融不安が世界的な信用収縮へとつながり、リスク許容度の低下からリスク資産を売り急ぐ動きもみられました。先週後半に買い越し基調に転じたかと思われた外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も再び売り越しとなり、金融政策や景気対策も打つ手なしということで買い戻しも入り難く冴えない展開が続きました。売り急ぐ動きが特にみられたということでもなかったのですが、 買い気に乏しい中で指数は大幅安水準で小動きとなりました。

 後場に入ると弱含みながらも底堅さもみられる展開となりましたが、後場中ごろからユーロが急落、連れて米ドルも売られ、株式相場も見切り売りが嵩んで一段安となる場面もありました。ただ、買い気に乏しかった分、見切り売りも限られ、節目とみられる8500円を意識するようなところでは日銀のETF(上場投資信託)買いも入っていたのか下げ渋りとなりました。ただ、買い戻しを急ぐでもなく、値ごろ感からの買いがまとまってみられるということでもなく、指数は下げ渋りとはなるものの戻り切らず大幅安となり、結局最後も見切り売りが嵩んで安値圏での引けとなりました。

 小型銘柄も見切り売りが嵩んで軟調なものが多かったのですが、主力銘柄ほどの下げとなることもなく、幕間つなぎ的に買われるものもみられ、指数は下げ渋りとなりました。東証マザーズ指数とジャスダックTOP20は大幅下落、二部株指数と日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物もまとまった売りもみられ、指数を下押す場面もありましたが、追随して売り叩くようなこともなく、総じておとなしい展開でした。先行きの方向感がつかみ難いのか目先の売り買いが中心で終始方向感はみられず、相場全体をけん引するような動きもありませんでした。

 週末のG7などに対する失望感や欧州での金融不安が強まったことから世界的に再度信用収縮の動きとなりました。リスク許容度がさらに低下してリスク資産を手放す、手仕舞う動きがみられ、「世界同時株安」となった感があります。景気対策も金融政策も、そして日本での日銀の買い支えも信用収縮となるとリスクを採ることに疑心暗鬼になって効果がなくなってしまいそうです。資金の滞りがないこと、銀行の金融システムが健全であることを確認すること、各国の中央銀行がそれを示すことが相場の立ち直るきっかけとなるのであり、それが処方箋ということになると思います。

テクニカル分析

日経平均

 安値更新となりましたが、まだRSIもストキャスティックスも下値余地はあり、下値を探る動きは続きそうです。8500円〜600円水準での底堅さを確認できるのか、さらに下値を探ることになるのかを試す正念場となりそうです。ただ、遅行線が日々線のいったん底値となった日柄に応答しており、ここで底入れとなる可能性もありそうです。

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