未来の暮らしはどう変わるのか? 人工衛星の最新事情宇宙飛行士・古川聡さんに、子どもたちが聞く(1/4 ページ)

» 2011年09月09日 14時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の宇宙飛行士・古川聡さん。8月30日、古川さんと子どもたちが交信する「スペース・キッズ・プラットフォーム2011」が、東京・仙台・名古屋の3会場で行われた。東京会場には100人が参加。会場の大画面に青いつなぎ姿で古川さんが登場すると、子どもたちからは「わー」と歓声が起きた。

 子どもたちからは「宇宙について」の質問が飛び交ったが、古川さんはどのように答えたのか。小学生や中学生への回答だったが、中にはビジネスパーソンにとっても仕事へのヒントになる言葉が聞かれた。宇宙飛行士を目指そうと思ったときの気持ち、つらい訓練のときどのようなことを考えていたのか――。古川さんの言葉を紹介しよう。

 また宇宙と地球との交流は通信回線を介して行われたが、その交流を中継していたのが人工衛星だ。気象観測や衛星放送などに使われている人工衛星だが、将来的には私たちの生活をどのように変えてくれるのだろうか。宇宙産業分野で国内トップを走る三菱電機の担当者に“未来予想図”を語ってもらった。

宇宙飛行士になるために

――古川さんは以前、医者でしたが、宇宙飛行士になるために何か役に立ちましたか?

古川さんに質問する小学生

古川:医者として身につけてきた知識や技術は役に立っていますね。例えば科学の実験をするときに仲間の血を摂ったり、超音波を使った検査をしたりしています。また仲間が病気になったり、ケガをしたときには治療をすることができます。そういった点で仲間に安心感を持ってもらっています。

 宇宙飛行士の場合、全員が同じことを勉強する部分とそれぞれの特性を生かして勉強する部分があります。共通の部分は「宇宙船がどういう仕組みになっているのか」といった部分は共通で、全員が学ばなければいけません。それ以外は、それぞれの得意なことを生かす、いわば“分業体制”になっています。例えば機械が得意な人は、モノが壊れたときに修理しますし、医療が得意な人は、仲間が病気になったときに治療にあたります。

 自分が興味をもてることを一生懸命勉強するといいと思いますよ。予習そして復習といった勉強の仕方を身につけてくださいね。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.