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» 2011年09月09日 13時00分 UPDATE

「基本無料」でビジネスをする方法――ソーシャルゲームのマネタイズ戦略 (4/6)

[堀内彰宏,Business Media 誠]

遅いことが一番の負ける要因に

鶴谷 自慢話ばかりしても仕方ないので、逆に成功ではなくて、大失敗や言っていないけど引っ込めてしまったタイトルがあったとか聞いてみたいのですが。

椎葉 出していないゲームはあります。今年のお正月過ぎくらいに、5000万円ほどかけて作っていたゲームをやめました。モバイルソーシャルゲームを何本作れるんだという話になるのですが、無理なものは無理なので、仕方がないのでやめました。

 サッカーのブラウザゲームを作ったのですが、サッカーはいろいろと難易度が高いところがあります。選手のライセンスをとってやるつもりもなかったので、ゲーム性だけで勝負をしなくてはいけなくて、ちょっと無理な挑戦をし過ぎて、スタッフも疲弊したし、申しわけなかったなと思いました。

鶴谷 失敗の一番の原因は何なんですか。

椎葉 そもそもそのジャンルが難しいということは自覚してやっていました。ただ、「そこそこの出来になったら、ほかにまともなものがないから何とかなるだろう」くらいの調子で作っていたのですが、想像以上に世の中の流れが速かったんです。

 今、モバイルソーシャル、MobageやGREEのプラットフォームの中で勝負されている方も多分同じことを考えられていると思うのですが、Webブラウザのソーシャルゲームも同じで、1年半くらい前はFacebook上でもZynga、RockYou、Playfishが並び立っていたのですが、今は結局Zynga1強なんですね。まさか1年でこうなるとは思わなかったですね、7億人もいるプラットフォームで。

 日本でもWebブラウザのゲームがもうちょっといけるかなという感覚を持っていたのですが、実際はそうではなかった。今は結構な人数を取ろうと思えば、Yahoo!モバゲーしかないと言うしかないですね。ゲームのできがそこそこでは何ともならないマーケットになってしまったというところが、マーケットを見るという意味では、ここまで世の中の流れが速いとは思わなかったという目利きの悪さがありました。

鶴谷 ハンゲームはだめですか。

椎葉 ハンゲームの方がいらっしゃるとダメなので言えません(笑)。みなさんが具体的に見られるところで判断いただければいいと思うのですが、ハンゲームではその時に接続しているユーザー数を出しています。

 最近リリースされたゲーム、特にブラウザゲームとかのアクセス人数を確認していただければと思うのですが、ゲームが多いので1つのゲームに集中することがなかなかないサイトになっているかなと思っています。

鶴谷 会社の規模とか運営コストとか、運営ノウハウによっては「そのくらいでも、うちは黒字にできる」という自信のある会社もあるかもしれませんね。「1万人いかないとダメ」というところもあれば、「いや、デイリーで1000人いけばいい」という会社もあるかもしれないので、それぞれということですね。

ah_muryo20.jpg ハンゲーム

深田 私はソーシャルゲームへの進出は大失敗でしたね。1年前のチャレンジで、数千万円単位でお金を突っ込んで、2本出したのですが、大コケで全然回収できなくて手痛いダメージを受けました。

 振り返って何がダメだったのかというと、先ほどもあったのですが遅かったというのが一番大きな要因だったと思っています。我々はGREEのプラットフォームで2010年6月に最初にチャレンジしたんですね。そういう意味では、「mixiアプリオープンの段階からチャレンジしていたとか、その前から突っ込んで意思決定していたというくらいのスピード感でやっていないとダメだったんだな、そもそも」というところです。

 マーケットの進化のスピードを完全に分かっていなかったといいますか、見誤ったというところが一番失敗の要因としては大きくて、「そういうことは絶対にやるまい」「早い方じゃなければ勝負するのはやめよう」と固く心に誓いました。

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